新涼の気配

秋きぬと

目にはさやかに

みえねども

夕餉のにおいに

新涼の気配

空の上では

はっきり季節のバトンタッチがされたようです。

つい先日まで車のエアコンから熱風が噴き出すような真夏日だったのに、

ここ2,3日、はっきり、めっきり、朝晩の空気が変わってきました。

日が暮れた後、開け放った窓から吹き込む風は涼しすぎるくらいだし、

シャワーを浴びてバスルームから出ると、一瞬、ひやっと感じるし、

朝晩は素足の指先が冷たく、短めのソックスを履いたり脱いだり(笑)。

昨日は秋めいた鰯雲がオレンジ色の夜明けの空を彩っていました。

こういう季節が、まさに「新涼」、なのね。

秋に入ってすぐの涼しさをそう呼ぶと今朝の天声人語にありました。

また、この季節にぴったりの一句も紹介されていました。

「新涼や尾にも塩ふる焼肴」 鈴木真砂女

秋刀魚苦いかしょっぱいか、ですねぇ。

夏の熱気が通り過ぎ、秋の涼気に食欲が刺激される季節、

そういえば、昨夜も開け放したベランダの窓から、

焼魚の香ばしい匂いがどこからともなく漂ってきましたっけ。

マンションは、現代の長屋。
特に北海道はエアコンなしで夏を過ごすおウチが多いので基本的に窓は全開、
ご飯時になると、おいしそうな夕餉の匂いがしてきて、
「あ、今晩はカレーね」とか「お、焼肉ですか」と夏を感じていましたが、
いつのまにか焼魚や煮物系に静かに移りつつあるようです。

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」。
古今和歌集の収められている有名な和歌ですが、
平安時代の藤原敏行さんは風の音で秋の気配を察知、
現代の長屋暮らしの食いしん坊は焼魚の匂いで、
目にはさやかに見えない秋の訪れを感じ取る今日この頃、でありました。

天声人語によると立秋を過ぎたあとの8月のことを
歳時記では「初秋(はつあき)」と呼ぶそうです。
千葉からは名産地白井市の梨が到来、
スーパーの鮮魚売り場にはカラフトマスが並んでいました。

ゆく夏を惜しみながら
新涼の気配を感じる季節だ。
初々しい秋がやってくる。
食欲が、増す(笑)

(写真は)
オレンジ色の夜明けの空。
鰯雲になりかけ?の雲に
新涼と初秋の気配。