サルーミ・ロマエ

仕事が終わると

浴場で疲れを癒し

午後からグルメな宴

肉に魚にパンに果物、そして、

サルーミ・ロマエ

海外旅行はしばらく難しい現状ではありますが、

その気になれば、いつだって、どこへだって、旅立てる。

先日は、なんと、時代を超えて、古代ローマへ旅しました。

名付けて「サルーミ・ロマエ」の旅。

古代ローマの公衆浴場を描いた漫画は「テルマエ・ロマエ」

イタリア語で「ローマの浴場」という意味ですが、

「サルーミ」とは生ハム、パンチェッタ、グアンチャーレなど

肉加工品全般を指す言葉で、売ってる店は「サルメリア」。

つまり、「サルーミ・ロマエ」とは

「ローマの肉加工品」ってわけで、

しかもしかもただの加工品じゃない、

古代ローマ時代発祥の特別グルメなサルーミを出会ったのです。

先日、発見したご近所の隠れ家イタリアンでのこと。

この日の前菜盛り合わせ、海老の香草焼き、フルーツトマトのカプレーゼ、

帆立のココット、自家製メープルレーズンバターを載せたパンとともに、

鮮やかなルビー色の生ハムらしき肉加工品(サルーミ)が。

ん?・・・初めてお目にかかるような・・・?

「コッパ、でございます」。

上品なマダムがそっとその名を教えてくれる。

「豚の首のお肉で作る生ハムで、濃厚な旨みと香りがありますので、

少しずつ召し上がってみてください。スプマンテにも合いますよ」

と、私の前の冷えたスプマンテを見ながらにっこり。

おおお~、コッパ、とな、豚の首肉、とな。

お初にお目にかかります。どれどれ、ルビー色のコッパ少々をパクリ。

うっわぁぁぁ~、なんじゃ、こりゃあ~!

久しぶりに松田優作が出た(笑)

円熟した香り、ねっとりした脂の旨みと甘みに

ほんのりスパイシーな風味が加わり、極上の華やかさに、もううっとり。

コッパ、これの生ハムは、タダモノではない。

普通の生ハムが鮪の刺し身だとすれば、

コッパは江戸前の熟練の技で仕事をした「ヅケ」というところか。

コッパ、君は、何者だ?

さっそく調べてみると・・・やはり、タダモノではなかった。

その歴史は古代ローマ時代にまで遡り、当時のサルーミの中でも

祭りや宴で供される最高級品、特別なグルメ食材だったとか。

脂と赤みのコントラストが美しい豚の首肉に

胡椒やシナモン、クローブなどの数種類のスパイスをすりこみ、

それを豚の腸に詰めてからゆっくり乾燥、熟成させていくそうで、

サラミの製法に近い生ハムなんだそうです。

ああ・・・だからなのね・・・

この円熟した香りと馥郁たるスパイシーな風味は

古代ローマ時代から受け継がれてきた伝統製法の賜物だったのね。

この大理石のような美しい断面を口にした瞬間、

私は古代ローマへワープしたのでありました(笑)

はるか古代ローマ時代、肉体労働に従事していない上流階級の人々は

午前中に仕事を終わらせ、軽い昼食の後は浴場へ赴き、疲れを癒し、

午後3時頃から「ケーナ」と呼ばれる一日の主たる食事を摂ったそうです。

豪華な食卓に並んだのが、肉、魚、パンに果物、

そして「コッパ」などの最高級サルーミ。

もも肉で作るプロシュートなどとはまた違った、

コッパ独特の円熟した香りと濃厚な旨さは・・・虜になる。

ルビー色の大理石のようなコッパをつまみ、冷えたスプマンテを一口。

あああ、天国が、こんなご近所にあったとは(笑)。

コッパで、古代ローマへ旅しちゃう。

ああ、サルーミ・ロマエ♪

(写真は)

美しいルビー色。

古代ローマ発祥の

最高級生ハム「コッパ」。

虜もの、です。