ご飯食べた?

你吃飯了嗎?

ご飯食べた?

なにより

大切なのは

ご飯だったのに。

新型コロナウィルスの感染拡大をめぐり、WHOは緊急事態を宣言、

日本政府も指定感染症の政令を本日2月1日に前出し施行、

また当分の間、湖北省滞在者の入国を拒否すると表明、

感染拡大防止への水際対策のフェーズがさらに上がりました。

今週水曜日にはまだ店頭に並んでいたマスクも木曜日以降、

ご近所スーパーやドラッグストアからすっかり姿が消えています。

個数制限どころか、再入荷の見通しも立たない状態ですが、

札幌のお客さんたちはガランとした棚を見て「やっぱりね」といった感じで

パニックや混乱などはなく比較的落ち着いた様子でありました。

が、感染が全土にひろがっている中国ではマスク不足が深刻。

薬局の前には長蛇の行列、焦るお客同士で殴り合いのけんかが起きたり、

定価の10倍以上で販売する店や粗悪品が出回ったり。

ワクチンも治療薬もない新型ウィルスへの恐怖、不安が

マスク需要を募らせているのですね。

中国国内のマスク不足を伝える今朝の朝刊記事で

上海市に住む40代の会社員の話が印象的でした。

「何が真実が分からず結局はマスクにすがるしかない。

今は『マスク、買った?』が挨拶の言葉になっている」。

食べることを何より大切にするお国柄、

「你吃飯了嗎?」=「ご飯食べた?」が挨拶だったのに、

「マスク買った?」が挨拶の言葉になっているなんて・・・。

「おはよう」「おはよう」「マスク買った?」が日常なんだ。

食よりも、今は、マスク、なんだ。

「你吃飯了嗎?」

中国語のテキストには必ず出てくる中国独特の挨拶。

食事どきかどうかに関わらず、よく使われるフレーズで、

日常のコミュケーション手段の一つとしておなじみですが、

長い歴史の中から生まれてきた言葉らしい。

中国では広大な国土を巡って、

何度も王朝を奪い合う戦争が繰り返されてきた歴史があり、

人々は生きていくための食糧を得ることが困難な時代が続きました。

そんな時代の中では食事をとれることは何よりも幸せなことであり、

ご飯を食べたかを確認することは相手が無事であること、

元気であることがわかる大切な声かけだったのですね。

「你吃飯了嗎?」=「ご飯食べた?」は

あなたはちゃんとご飯を食べて元気でいますか?という、

相手への思いやり、心遣いかあふれた、実に温かい表現なのです。

・・・そうか・・・だから、今、「マスク買った?」なのか。

刻一刻と感染者が増える中でも、

相手を思いやる心が息づいているということです。

中国国内でも日本でも新型コロナウィルスの分離に成功しました。

時間はかかるかもしれませんが、

ワクチンや治療の開発への光明が見えてきました。

世界中が感染拡大阻止へ努力を続けています。

困難な時こそ、相手を思いやってきた歴史がある。

一日も早く「マスク買った?」から

「你吃飯了嗎?」=「ご飯食べた?」の日常が戻りますように。

(写真は)

一杯の麵。

ご飯食べた?

うん、食べた、

美味しかった、元気だよ。