台北の中の台南
雨の台北で
古都台南を味わう。
天秤棒から始まった
漁師さんの百年老店
台北の中の台南。
秋の台湾食い倒れ旅の2日目は古都台南へ日帰り旅を決行。
台湾の新幹線「高鐵」で北回帰線を超えて熱帯の「台湾の京都」台南で
絶品小吃を食べ歩き、ノスタルジックな街並みを散策、
お腹も心も満たされて夕方の新幹線で雨の台北へ戻ってきました。
そんな日帰り旅のフィナーレは台北の中の台南。
小雨そぼふる永康街にある「度小月」の台北支店で夕食です。
食の都台南を代表する小吃「担仔麺」の発祥のお店。
小さなお椀に肉そぼろを載せた海老だしの絶品麺ですね♪
台南の本店を彷彿させるような趣ある赤い提灯が出迎えてくれました。
12年前にオープンした永康店は台南と変わらぬ味が堪能できるとあって
連日グルメ街を訪れる台北っ子で賑わう人気店。
「度小月」の始まりは120年前のこと。
中国福建省漳州から台南へ移り住んだ洪さんは漁師として暮らしていましたが、
台南海域の夏場は台風が多く漁で生計を立てるのが厳しかったため、
漳州にいた頃に作り方を覚えた麺を売り歩くことにしました。
身近にあったエビの殻でだしをとり、豚肉を炒めたそぼろを載せた麺を
「担仔」と呼ばれた天秤棒で売り歩いたことから
いつしか「担仔麺」といつしか呼ばれるようになったのでした。
「度」は「乗り越える」という意味の中国語の「度過」、
「小月」は台南の漁師たちが呼んでいた漁に出られない閑散期のこと。
「度小月」という名前にはしんどい時季を工夫とアイデアで乗り越えた、
台南漁師の誇りとチャレンジ精神が美味しく刻まれているのですね。
天秤棒で売り歩いた初代から現在の4代目まで大切に受け継がれてきた
台南自慢の「担仔麺」を雨の台北で味わうのも乙なもの。
さあ、「度小月」永康街店へいざ入店。
古都台南の名店らしいノスタルジックな趣を生かした店内は
お洒落でモダンでそれでいて気取り過ぎず居心地がいいインテリア。
1階と2階にも席があるようですが、1階席はほぼ満席。
笑顔の店員さんが「お二階へどうぞ」的に案内してくれますが、
旅人の足が思わず止まった、入ってすぐの光景に目を奪われる!
おおお~、これが「度小月」名物「担仔麺コーナー」♪
レンガ造りのかまどの煙突から湯気がもうもうとあがり、
大きなスープ鍋、麺が山盛りの大ざるや年季の入った肉そぼろの鍋を前に
専任スタッフがどかっと座り、注文が入るたびに流れるような早業で
担仔麺を仕上げていくのです。小碗に左の大ざるからササッと麺を入れ、
スープとの配分をコントロールしつつ肉そぼろを少しずつ載せて完成。
天秤棒時代、屋台時代から引き継がれてきた「度小月」の技。
2019年の台北・永康街から100年前の台南へワープしたかのようだ。
何でもこの「担仔麺コーナー」に座れるようになるには
厳しい訓練と試験をクリアしなければならないらしい。
台風と共存し生き抜いてきた台南漁師の不屈の精神を体現する「担仔麺」、
受け継ぐ者たちもその歴史に誇りと覚悟を持っているのですね。
ここは台北のグルメ街と名高い永康街。
東京渋谷の一等地のような場所に出店となれば、ビジネスだけを考えれば、
「担仔麺コーナー」も客席にした方が儲かるかもしれない。
厨房で一斉に作れば回転もいいのに、あえて非効率覚悟で歴史を残す。
「台南の京都」「食の都」古都台南の老店の誇りが、そこにある。
台南に行く時間がなくても
永康街を歩けば台北の中の台南に出会えます。
自然と折り合いをつけながら生き抜いてきた台南漁師プライド。
さあ、魂の「担仔麺」いざ実食♪
(写真は)
「度小月」名物
天秤棒時代、屋台時代を
彷彿とさせる「担仔麺コーナー」。
食前食後に必見です。



