板チョコと革命
知恵や
方便や
あいまいさはいらない。
ほんとう、は苦い。
板チョコと革命。
台風の置き土産らしい異例の蒸し暑さも今朝は一段落。
平年よりはまだ高めながら、過ごしやすい気温となりました。
折しも「白露」の季節、野の草花に朝露が宿り・・はじめる・・・かな。
暑さが和らげば、さあ、読書の秋、ですね。
近頃、眠る前にぱらぱらめくっている1冊が
「文学はおいしい」(小山鉄郎著)。
文学担当の新聞記者さんが日本の食と文学への愛をこめて綴った、
読んで美味しい、文学を食べるエッセイ集です。
「カツ丼」「おむすび」「餃子」「焼き鳥」などなど
文学と食べ物とのおいしいつながりが見開き2ページで読み切れる構成、
一日の終わりにぴったりの「安眠本」であります。
たとえば、昨夜読んだテーマは「バレンタインチョコ」
おりしも秋の新作チョコが登場する季節でありますなぁ。
登場する文学作品は俵万智の第三歌集「チョコレート革命」。
タイトルとなった短歌は有名ですよね。
「男ではなく大人の返事する君にチョコレート革命起こす」
う~む・・・ドキドキするなぁ。
ベストセラーとなったデビュー作「サラダ記念日」では
みずみずしい青春期の恋愛を詠んだ歌人はその10年後、
妻子ある男性との愛を鮮烈に歌ったわけでありますが、
俵万智はあとがきでこう記しているそうです。
大人の言葉には摩擦を避けるための知恵や自分を守るための方便や
相手を傷つけないためのあいまいさが含まれているが、
恋愛の中では使いたくない種類のものだ」とし、
「短歌をつくる時にも。言葉が大人の顔をしはじめたら、
チョコレート革命を起こさなくては」と。
そして著者は俵万智の心情をこう読み解きます。
「つまり『ほんとうの言葉』でうたう短歌の象徴が『チョコレート』なのだ」。
そうか、チョコレートのほろ苦さは
大人が隠したくなる「ほんとう」、なんだね。
知恵や方便やあいまいさは、もういらない。
苦くたって、勇気を持って、「ほんとう」を求めるんだ。
朝刊で読んだ香港デモに参加する若者の声がだぶってきました。
「20年先ではなく、明日、来年のために声をあげています」。
自分たちの「ほんとう」の言葉で語れる未来を求める動きは
長期化も予想され、混迷が深まり、決して甘くはない、ようです。
フランス土産のカカオ74%の板チョコを頬張る。
ほろ苦さ、よりも、もっとビターなダークチョコ、
板チョコと革命・・・かぁ。
さまざまに物思う秋のはじめ、かな。
(写真は)
ラ・メゾン・デュ・ショコラの
タブレットチョコレート。
青はカカオ74%、緑は68%、赤は100%。
大人でも、100%は、苦いかな。

