大事なたったひとつ。

みずみずしく

やわらかく

涼やかで

勢いの良い

大事なひとつ。

あれ・・・?

少し、ほんの少しだけど、過ごしやすい・・・?

3日連続の熱帯夜にうなされていた(笑)札幌ですが、

昨夜は最低気温が25度をわずかに下回ったようで、

明け方にはかすかに気持ち良い風が窓から入ってきました。

夜の気温が2,3度違うだけで、体感的には天地の差。

ふぅ~・・・助かったぁ。

暑さに疲れた体には、水羊羹が、効く♪

最高気温33度となった昨日の3時のおやつは名品水羊羹。

到来物の「たねや」の「本生水羊羹 棹」であります。

小豆本来の旨みを追求したたねや自慢の一品には

カップタイプと棹タイプの2種類がありまして、

今回頂いたのはユニークな棹パッケージの方。

京都でよく見かける青竹入り水羊羹のモダン版。

細長いプラスチックケースの両端がシールでパッキングされていて、

まずは上部のシールを剥がし、次に底部のシールを剥がすと

密閉されていた柔らかい水羊羹がつるりと出てくる構造、らしい。

むふふ、なんだか面白そう♪

涼し気な水色のやちむんのお皿の2枚並べ、

その上に棹型水羊羹をスタンバイ。

つるつると出てきた分を適度に切り分けるつもりで、

底部のシールをそろそろと剥がすと・・・!!!

つっる~~~ん!!!

想定外の勢いで水羊羹がほぼほぼ(笑)滑りだしてきた!!!

並んだ2枚のお皿に・・・しどけなく横たわる・・・水羊羹・棹。

適度な大きさに切り分けるなんて発想が間違っていた(笑)。

あわよくば半分は残して、なんて思ってたけど、全量出ちゃった。

なんとか4等分に切って、銘々のお皿に盛り付ける。

はぁ~、びっくりした~。

容器の裏の説明書きには「飛び出すから注意してね」的なことが

書いてはありましたが、これほど勢いが良いとは思わなかった。

本生水羊羹、活きが良い。

その味わいは、のどごし最高!

さらり、つるり、なめらかな口あたり。

みずみずしい小豆の風味とともに喉を滑り落ちていく。

「たねや」の水羊羹は、もはや飲み物?

のどがよろこぶ夏の贈り物、ですな。

それにしても水羊羹の形状は面白い。

板状のもの、カップ入りに、青竹、棹系などなど色々ありますが、

水羊羹をこよなく愛した向田邦子のお気に入りは潔い四角形。

「水羊羹の命は切り口と角」だといい、「宮本武蔵か眠狂四郎が

スパッと水を切ったらこうもなろうかというような鋭い切り口と、

それこそ手が切れそうなとがった角がなければ水羊羹とはいえないのです」と

エッセイに書いていましたね~。

そうかぁ、宮本武蔵クラスだったら、

棹型水羊羹の勢いに負けず、スパッと切り分けられたのか(笑)

さらに向田さんはこうも書いています。

「水羊羹は、ふたつ食べるものではありません。歯をくいしばって、

一度にひとつで我慢しなければならないのです」

・・・ごめんなさい・・・棹全量、二人で食べちゃった・・・。

しかし、次の一文で、ほっとした。

「その代わり、その『ひとつ』を大事にしましょうよ」。

はい、向田さん、夫と二人で「本生水羊羹 棹」ひとつ?

大事に、大事に、美味しく、味わいました。

そうでした、水羊羹は、限りある命と一緒でしたね。

「うちわを仕舞う頃にはひっそり姿を消す。

その短命がいいのです」。

はかなく、大切な、命を慈しむ。

大事な、大事な、たったひとつを、味わう夏。

(写真は)

パニック前の(笑)

たねやの「本生水羊羹 棹」

想像以上にスプリント力あり。

全量受け止めるお皿はマスト(笑)