元気がでるあんみつ

甘い夜空に

色とりどりのゼリーと

きらきら寒天と

とろりあんこの花が咲く。

元気がでるあんみつ。

日本が生んだ甘味の傑作「あんみつ」。

その歴史は江戸時代、屋台などで売られていた、

茹でた赤えんどう豆と新粉餅に甘い蜜をかけた素朴なおやつに始まります。

それを東京浅草の「舟和」が改良、明治35年(1902年)頃に

「みつ豆」として販売したものがそもそものルーツ。

「屋台の素朴な甘味がこんなにお洒落になったのねぇ~」と

昨日のおやつに日本橋屋長兵衛の夏季限定あんみつを食べながら

しみじみ甘味の歴史に思いを馳せるのでした。

その名は「涼あんみつ 花火玉」。

夏の夜空を彩る花火が描かれた和紙の懸け紙がなんとも風流。

美しい和紙の下にはこしあんとみつ豆が

それぞれ個別にパック容器に詰められています。

みつ豆を器に移し、その上へなめらかなこし餡をそっと載せます。

まぁ・・・なんと涼やかで美しいこと。

赤、緑、黄のまんまるゼリーと透明なクラッシュ寒天が

優しい甘さの糖水の海にふるふると揺れ、

夏の夜空のようなこし餡がその色合いを更に引きたています。

銀のお匙に赤玉と寒天とこし餡をすくって・・・パクリ。

う~ん・・・なんて涼やかな夏の夜空(笑)。

糖水にはほんのり柑橘系の香りを忍ばせてあり、

赤玉ゼリーはほのかないちご味、緑玉はりんご味、黄玉は夏みかん味。

とろりとなめらかなこし餡を絡めて食べる粋な進化形あんみつ。

江戸時代に生まれ、明治、大正、昭和、平成、そして令和と

素朴な屋台甘味も時代と共にさまざまに洗練されていくのですなぁ。

「みつ豆」から「あんみつ」を発明したのは

明治27年に上野で創業した「若松」という和菓子屋の二代目。

銀座でお汁粉屋を開業、自慢の自家製あんこを生かした甘味として

大正時代から人気だった「みつ豆」にあんを載せて提供したところ、

これが大評判となったのがその始まり。

日本が世界に誇る甘味「あんみつ」の誕生です。

折しも関東大震災後の復興の気運が高まっていた時期であり、

甘く、華やかで、幸せな気分になれる「あんみつ」は

当時の人々の元気の源として人気が高まっていったようです。

元気がでるあんみつ、復興あんみつ。

さらに大ヒット商品「あんみつ」を発案した銀座若松は

これを専売特許にすることなく、他の甘味屋さんにも広めたとか。

未曽有の災害から立ち直ろうと懸命だった当時の日本、

甘いおやつをみんなで食べて、元気を出して、頑張ろう。

そんな思いからの「あんみつ」オープン化だったのかもしれませんね。

現在の銀座若松さんのお店に行ったことがありますが、

気取らす庶民的でとっても居心地が良かったことを思い出します。

すっごく、感じのいい老舗だったなぁ。

元気がでるあんみつ。

世界に自慢したい甘味だ。

(写真は)

日本橋屋長兵衛の

「涼あんみつ 花火玉」

夏の夜空のような

美しい懸け紙。