シュガー、ワン

朝のホノルル。

カパフル通りの

ピンクの庇が目印。

思い出の

シュガー、ワン。

「リヨンのおはぎ」に続いて

「ポルトガル経由ハワイのおはぎ」のお話。

昨日、海外出張を控えた夫のお買い物に付き添いがてら、

札幌東急「ハワイフェア2019」最終日の会場をのぞいてみました。

ハワイ名物のあれ、平日だったら買えるかもね~と

ごく軽い気持ちでエレベーターを降りた瞬間、

まさかの・・・大行列・・・(汗)。

行列の先に見覚えのあるピンク色のロゴが。

「Leonard’s(レナーズ)」。

ハワイのロコや観光客に愛されている名物スイーツ、

「マラサダ」で知られる1952年創業の老舗ベーカリーであります。

「マラサダ」と言えば「レナーズ」と代名詞になっている名店が

5年前に日本上陸を果たしたのは知っていましたが、

札幌でその味を楽しめる貴重な機会、

だよね~、そりゃあ、並ぶよねぇ~。

おのれの見通しの甘さにあきれつつも、

その場でUターンすることもはばかられ、

成り行きで行列の最後尾に並び(笑)、

とりあえず待ち合わせの夫を待つことに。

大行列はピンク色のブースをぐるりと一周半取り巻く勢い、

「待ち時間、どれくらいですか?」とスタッフに聞くと

「う~ん・・・30分以上は・・・お待ちいただくかと」とのこと。

あかん、あきらめよう。

と、早々に戦線離脱をしようとした時に夫がやってきた。

「いいよ、並んでるから、会場、ぐるっとひと回り見てきたら?、

ステージも始まるでしょ?」と仏様のようなお言葉(笑)。

にしても行列が苦手な夫婦なのに、まさかの展開。

だって、思い出の「マラサダ」だもんねぇ。

ハワイ・オアフ島はホノルルの朝。

眩しい朝日を浴びながらレンタカーを走らせると

まもなくピンク色の庇とマラサダ君のキャラが見えてきます。

ワイキキから10分もかからない距離ですが、

朝のお散歩がてら、徒歩や自転車で訪れるロコの姿に

素顔のハワイが感じられ、地元気分があがります。

息子が小さな頃、毎年行っていたハワイ旅。

朝のレナーズは思い出のアルバムの大切な一コマです。

ポルトガルからの移民だった創業者が苦労して開店したベーカリーで

故郷の懐かしいおやつ「マラサダ」を作って販売したのが大成功。

「リヨンのおはぎ」こと「ビューニュ」と同じように、

四旬節の前日の火曜日に食べられる伝統的な揚げ菓子「マラサダ」。

初めてこのお店で食べた瞬間、家族全員、恋に落ちました。

表面はかりっと、なかは信じられないほどふんわり、

ドーナツのようでドーナツでなし、独特のエアリー感は唯一無二、

世に揚げ菓子は多けれど、レナーズに勝るおやつはない。

カイルアビーチへ向かう途中、

偶然立ち寄ったピンクのお店の天国の味わいにぞっこん。

それから毎年、ハワイに行く度に通い詰めたものです。

お砂糖をまぶした「プレーン」と香りのよい「シナモン」。

揚げたてを買って、瓶の牛乳も買って、

お店の前ではふはふ、はふはふ、ぐびぐび、はふはふ、

家族3人、夢中でマラサダにかぶりついていたっけ。

「まだ、食べたい!もいっこだけ、食べたい!」

食べ足りなかった息子が所望する。

だよね、軽くてエアリーだから、まだいけるよね。

「そうだ、だったら、自分で注文して買ってみる?」

まだ幼稚園の年中や年長さんぐらいの頃だったと思う。

旅は子供にとって未知の体験の宝庫。何事もチャレンジ♪

「あのピンクのおばちゃんにね、大きな声で、

『シュガー、ワン、プリーズ!』ってお願いするんだよ」。

お店の前でディレクションをして、

いざ、「はじめてのおつかいinレナーズ~英語編」(笑)。

ちっこい息子がとことことショーケースの向こうのベテラン店員さんの方へ。

「morning♪ May I help you?」陽気に挨拶してくれる。

「えっと・・・シュガー、ワン、プリーズ!」(お、言えた!)

「OK~suger one、▽〇※◇☆ペラペラペラペラ~?」

通じた思った瞬間、早口のネイティブイングリッシュの洗礼(笑)

どーする?不安げに振り向く息子、

「食べていきますか?って、イエスって言って、お金渡して」

はじめてのおつかいinレナーズ~たまらず親が口出す編(笑)

自分よりはるかに背の高いショーケースにへばりついて、

一生懸命背伸びして1ドル札をおばちゃんに渡していた光景。

揚げたての「シュガー、ワン」を渡され、

嬉しそうに小走りに戻ってきたときの誇らしげな笑顔。

母ちゃんは、忘れないよ。

ドキドキしながら、ワクワクを手にすること。

新しいことを好奇心と勇気をもって体験していくこと。

はじめての英語のおつかいは「シュガー、ワン」だったってこと。

とっくに大人になっちまった息子は覚えていないだろうけれど、

親は、忘れない。

だから、父ちゃんは20年後の催事場でマラサダの大行列に並んでいる。

あの頃の感動を、親は何度も反芻して、幸せを追体験するんだよね。

40分後、懐かしのレナーズのマラサダ、ゲット。

シュガー、ツー、シナモン、ツー。

夫はもちろん日本語で注文しましたが(笑)。

いざ、思い出のカパフル通りの味よ再び。

ピンク色の袋から、熱々のマラサダを取り出す。

あれ・・・?

思い出より、ちょっと小さいような?

もっと膨らみも大きくて、息子との手に余るくらいだったような?

いやいや、気のせいか?あの頃の息子が小さかったから、

相対的に記憶の中でマラサダの大きさもリサイズされているのだろう。

なにはともあれ、表面かりっ、中は天国のふんわりは、変わらない。

ピンク色のお店の前で食べた味とおんなじだったよ。

思い出のシュガー、ワン。

朝のカパフル通り。

日差しを浴びたピンクの庇。

瓶の牛乳と駐車場の猫。

幸せな記憶は、忘れない。

(写真は)

ハワイ名物。

レナーズのマラサダを

札幌のデパートで食す。

(夫が)並んだ甲斐がありました(笑)