ちょっと二杯

昭和、

平成、

そして令和へ。

「ちょっと一杯」も

移りゆく。

昨日の午後6時頃、

仕事先へ向かおうと乗った地下鉄車内でのこと。

そろそろ夕方の通勤ラッシュが始まろうかという時間帯、

お勤め帰りの人々でそこそこ混みあってきた車内。

「ども、お疲れさまです」」「あ、お疲れです」

私の隣の座席に座った30代くらいのスーツ姿の男性の前に

同僚らしき男性が偶然、乗り合わせてきたらしく、

お互いに一日の労をねぎらっておりました。

座席に座っている方をA氏、

つり革につかまっている方をB氏としましょう。

「今日は早いんですか?」とA氏。

「うん、まあね、たまにはね」とB氏。

どうやらB氏の方が若干先輩なのか、同期だけど年上なのか、

A氏はちょっと丁寧な言葉遣いでしたが、

少なくとも、上司と部下という上下関係ではなさそう。

さらにA氏が話しかける。

「これから何か予定入ってます?」

「あ、う~ん・・・これから?」と予定があるのか、ないのか、

微妙な面持ちだったB氏にA氏が明るくこう続けたのだった。

「良かったら、ちょっと二杯ぐらい、行きません?」

お~、何と斬新なアフター6のお誘いだろうか!

「ちょっと二杯」だよ。

「ちょっと一杯」なら昭和の植木等だ、スーダラ節だ(笑)。

ちょっと一杯のつもりで飲んで、いつのまにやらはしご酒で、

気がつきゃホームで寝転んで許されたのはるか昔の話。

時代は昭和、平成、そして令和へと変わり、

チョイ飲みの誘い文句はより洗練されてきたのだ。

「二杯」というところが心憎い。

一杯は一杯ですまなくなる曖昧さが潜んでいるし、

三杯だとのっけからちょっとヘビー、時間もかかりそう、

しかし「ちょっと二杯」は、ちょうどいい。実にちょうどいい。

お互い、後の予定があったり、明日朝が早かったりしても、

最初の一杯&おかわりで軽く飲んで、疲れを癒して、また明日ってなる。

相手にも、自分にも、負担をかけないリアルな「ちょっと二杯」。

案の定、曖昧そうだったB氏も一気にノッてきた(笑)。

「あ~、ちょっと二杯、ですか、大丈夫かも・・・」

「ホント、さくっとちょっと二杯、僕も早く帰りますんで」

「うん、連絡しとけば行けると思うんで、どこにします?」と、

B氏はスマホを取り出し、彼女か奧さんか、とにかく約束していた誰かに

「悪い、ちょっと二杯」とかなんとか、連絡を入れたのでした。

良かったね、「ちょっと二杯」成立!

やがて地下鉄は通勤ラッシュで混雑する大通駅へ到着。

「しっかり食います?」「あ~、腹は減ってるかな~」と

お互い笑顔で連れ立ってホームへと降りていくA氏&B氏。

焼き鳥で冷たい生ビール?さくっとピザと白ワイン?

お刺し身に冷酒?もいい季節だよねぇ~。

その開放感溢れた楽し気な背中に

思わず「アタシもちょっと二杯!」と

ふらふらついていきそうになりましたが(笑)、

さあ、お仕事お仕事、重たい仕事鞄をぎゅっと持ち直し、

夕方の大通駅の雑踏を歩き始めるのでありました。

「ちょっと二杯」

令和の素敵な誘い文句♪

今度、誰かを誘ってみよう。

(写真は)

朝採りのグリーンアスパラ♪

農家さん直送です。

滴るような鮮やかな緑。

まずはさっとゆでて、

一本まんま、いっただっきま~す♪