万国卵焼き
故郷の素材を
まんまる
ふんわり
包み込む。
万国が愛する卵焼き。
週末の「おうちで台湾」ホームパーティーの続報です。
超短期帰省した息子と私の誕生祝いも兼ねてまずは辛口カヴァで乾杯。
前菜は春が旬の北海道産ホタテとキーウィーのカルパッチョ。
淡い緑が春らしい爽やかなスターターはイタリアに寄せてみました。
メインのお肉は昨日ご紹介した「野宮的台湾風ローストポーク」。
五香紛と沙茶醤が一気に台湾度を上げてくれます。
台湾家庭料理の定番にもチャレンジ。
「菜脯蛋(ツァイプタン)」です。
台湾料理の殿堂「欣葉(シンイエ)」で食べて感動した、
あの切干し大根のオムレツであります。
素朴な材料を芸術の域に高めたシェフの技に圧倒されましたが、
もともとは屋台、食堂でもおなじみの家庭料理、
台湾のおふくろの卵焼きだと思えば再現は可能のはず。
てなわけで「菜脯蛋」のレシピを色々検索。
どうやら本場台湾の「菜脯」とは
大根を千切り、塩漬けにして天日にさらしたものらしい。
それに比べて日本の切干大根は淡白で繊細なので、
ちょっと工夫が必要になってきます。
まずはご近所スーパーで北海道産の切干大根をセレクト。
数あるなかで一番太くて台湾っぽく、何より道産素材なのが嬉しい。
道産切干大根を水で戻し、一度さっと湯がいてから、
胡麻油で細かく切った干し椎茸、ネギと加えてさっと炒め、
醤油、オイスターソース、酒、砂糖少々などで下味をつけます。
むふふ、このままお惣菜にしたい美味さ。
具材が出来上がったら、いよいよ焼き方開始。
台湾の「欣葉」では厚みのあるスペインオムレツ(トルティーヤ)風、
一方、家庭や屋台では平べったい卵焼き風が一般的。
ここは手慣れたスペイン流で焼いてみましょう。
トルティーヤ専用と化した年代物の小さなフライパンの出番。
コイツを使うと絶対失敗しない。
いささか歪んだフォルムも愛しいフライパンを熱し、
いつものオリーブオイルの代わりに胡麻油を入れたら、
軽く塩を入れ溶いた卵の半量をジャ~ッ!と投入。
ささっと大きくかき回して半熟になったあたりで具材を載せ、
残りの卵をその上に投入、蓋をして中火で蒸し焼きにしていきます。
焦がさないように慎重に、火のそばから離れない。
ふくふく・・・卵がいい感じに焼けてくる。
焼き方はスペイン流ですが、立ちのぼる匂いは完全台湾。
胡麻油や醤油の香りが台北の屋台を彷彿とさせる・・・。
おっと、旅の思い出に浸っている場合ではない(笑)。
8割ほど卵に火が通った段階でいつもの手順。
フライパンにお皿をかぶせて、えいやっとひっくり返し、
胡麻油を少し足して、裏返したオムレツをフライパンに戻す。
ジュゥゥ~、後は裏面に焼き色がついたら出来上がり。
やちむんのペルシャ釉の平たい丸皿に再びえいやっ♪
おおお~、見た目はまんまスペイン、
しかして、その正体は、台湾家庭料理の定番卵焼きの完成。
ふっくら、まんまる、厚みのあるフォルムは「欣葉」風。
余熱でさらに火が通り、食卓に登場時には中でしっかり焼けている。
さあ、お味はいかに・・・?
ナイフで放射状にカットして、いただきま~す。
う~ん・・・懐かしい(笑)台湾の味がするぅ。
切干大根の歯ざわり、素朴な風味を卵が優しく包みこんでいる。
控えめな下味の加減もいい感じ。ああ、自画自賛が止まらない(笑)。
焼き方はほぼスペインでしたが、
オリーブオイルやじゃがいもを使うトルティーヤとは
また全然違う味わい、だけど、懐かしい。
日本の甘じょっぱい卵焼きとも違うんだけど、
やっぱり、どこか、懐かしい「菜脯蛋」。
故郷の素材を身近な卵で包み込む。
日本の卵焼きもスペインのトルティーヤも台湾の菜脯蛋も
世界の卵焼きは万国共通の懐かしい美味しさに溢れている。
形や味が違っていても、食べさせたい母心は同じなんだ。
だからどこの国も卵焼きも懐かしい味がするんだな。
ふんわりまんまるな台湾の卵焼き「菜脯蛋」。
優しい温かい何かに包まれたような気持ちになる。
そうだ・・・日向で干したお布団のような。
おかえり。
いっぱい食べてね。
(写真は)
「野宮的菜脯蛋」
北海道産の切干大根、
元気な道産卵、
いい仕事してくれました♪

