魅惑の甜湯
台北グレーの空。
そぼ降る小雨。
冬の街歩きの
温かな甘い味方。
魅惑の甜湯。
年末年始野宮的美味台湾旅リポート。
旅の二日目は12月31日。2018年の大晦日を台北街歩きで過ごします。
朝一番で台北最古の古刹龍山寺へ参詣、旅の無事を祈願した後は
200年前の清朝時代の街並みを残す「剥皮寮歴史地区」を散策。
さらに昔ながらの庶民の台所「東三水街市場」を探検し、
再び龍山寺に戻り門前の老舗甘味処でほっと一息。
1938年創業の「三六圓仔店」。
看板には「65年老店」とありますが、
計算すると2018年大晦日現在で「80年老店」(笑)。
うふふ、この大らかさが台湾らしくてますます惚れてしまうわぁ。
暮らしを支えるために阿媽(おばあちゃん)が始めた
圓子(団子)や餅や果実を使ったお汁粉のお店がルーツで
子供たちがその味を受け継ぎ、現代で4代目だそう。
台北では新しいお洒落なスイーツの店が次々とオープンしていますが、
地域に密着した歴史あるローカル甘味店に客足は途絶えることなく、
小雨模様の空模様でも次から次へと地元の人々が立ち寄っていきます。
龍山寺参りの帰り道に、バイクで通勤途中に、仕事の合間に、
店内でひと休みしたり、テイクアウトしたり、
まさに老若男女、年代を問わず、昔ながらの甘味を楽しんでいました。
愛される「三六圓仔店」もう一目惚れだなぁ。
お店は朝8時半から開店。
阿媽から受け継いだ伝統的な作り方を誠実に守り、
毎日新鮮で厳選した素材を使い、当日の朝から作り始めます。
大きな鍋からはほかほか湯気がたち、様々なトッピングもずらり。
おばあちゃん伝来の伝統的な甘味のほかに最近の人気は「黄金餅」。
3代目が考案したチーズ入りのピーナッツきなこ餅らしいのですが、
かなりボリューミー、昼食プランに影響しそうなので、
やはりぽかぽかあったか系にしようっと。
「花生湯」「芝麻湯圓」「蜜汁芋頭」・・・
あ~、もう、困ったぁ、全部食べたい、どうしよう~。
「どれにする?全部おいしいヨ♪」
日本語の上手なベテラン女性店員さんが声をかけてくれる。
え~っと、じゃあ、ベースは「紅豆湯(あずきのお汁粉)」にして、
「これと、これと、あれと、それ、お願いします」
ほぼ日本語で注文、「はい、ちょっと待ってね~」。
甘党に国境はない(笑)。
台湾滞在24時間ほどで甘い物の漢字はなんとなく理解できるような。
「蜜芋頭(タロイモ甘煮)」「雪蓮子(蓮の実)」「花生(ピーナッツ」
むふふ、台湾伝統的のトッピング軍団の名前もほぼ想像できるぞ。
夏のマンゴ―かき氷のように華やかさはありませんが、
見た目地味~なこのあったか系甘味「甜湯」は
絶対、札幌では食べられないもんねぇ。
小雨がやんだ店先のテーブルに色々トッピングで
野宮的カスタマイズした「紅豆湯」がやってきた。
やはり、渋い、地味だ、しかし、体が喜ぶ、癒される。
じっくり煮込まれた小豆の優しい甘みをベースに
蓮の実やタロイモや落花生のそれぞれの食感や風味が
滋養に満ちた協奏曲を奏でるのでありました。
細胞のひとつひとつにじんわりと沁みこんでいって、
冬の小雨もなんのその、体を芯から温めてくれる。
その優しい味わいに不安やイライラさえもいつのまにか消えそうだ。
寒い季節の体が求めている「甜湯」は心だって癒してくれる。
気づけば「三六圓仔店」の店内は穏やかな笑顔にあふれていた。
生きてりゃ色々あるけれど、
ちょっと悲しくなったら、温かい甜湯をすすればいい。
きっと明日はいい日だよ。
門前の阿媽直伝の81年老店にて。
魅惑の甜湯で元気百倍。
台北街歩きはまだまだこれからだ♪
(写真は)
「三六圓仔店」の
色々カスタマイズした「紅豆湯」
甘さは日本のお汁粉の半分ほど、
滋養に富んだ素材の深い味わいが
心身に優しく沁みます。
毎日食べたい、癒されたい。

