艋舺の奇跡

小雨そぼふる

夜の艋舺。

台北発祥の地で

奇跡が起こる。

謝謝!甘味の神様

年末年始野宮的美味台湾旅リポート。

12月30日夜、台北での記念すべき最初の晩御飯は

1921年創業の地元で愛される老店「兩喜號魷魚羹」で

絶品イカとろみスープや新竹産の米粉炒めなどを満喫。

ガイドブックにはほとんど載っていない地元度100%の食堂、

心身共に癒される滋味深く優しい味わいに感動。

美食の街台北で長く愛される理由がよくわかりました。

夜の10時近くになっても店内はまだまだ満員。

台北最古の古刹龍山寺の門前町という下町情緒あふれる土地柄、

一日の仕事を終えた人々が普段着で立ち寄る絶品食堂は

美味しいお料理で地元の人の胃袋を支えてもうすぐ百年。

台湾到着後わずか数時間で台北の素顔の一端に触れたような気がします。

どこの国も、どこの街でも、下町は味わい深い。

「好吃!美味しかったです、謝謝!」。

お勘定を済ませ、帰り際、入口で大量の米粉を炒めているおばちゃんに

日台混合で挨拶すると、「マタ、キテネ~!」と満面の笑顔。

さらに私の顔をじっと見て「オネエサン、ビジン!」とのたもうた(笑)。

もう、この年になると無粋な謙遜などいたしません。

「ありがとう!」思い切り日本語でリアクション、

おばちゃんに手を振ってお店を後にする。

台北優良老店、ホスピタリティは、完璧だった(笑)。

超気分よく、もう少し夜の台北を散策することに。

小雨降る夜も相変わらず人通りは絶えません。

この辺りは龍山寺を中心に発達した門前町「萬華(ワンホア)」地区。

古くから商いを続ける雑貨や漢方薬、お茶などの

伝統的な商品を扱う小さなお店が密集していますが、

台北の地図を見るとその歴史がよくわかります。

かつて台北の西を流れる淡水河を遡ってきた漢民族が

最初に交易点を設けたのがこの地なのでした。

「艋舺(バンカー)」と呼ばれたこの地域は淡水河の交易で栄えますが、

川底の上昇により船が運航できなくなり衰退していった歴史から、

古跡が多く、今でも清代の廟などが残っていたり、

老店と呼ばれる老舗が数多く商いを続けているのでした。

ふ~む、オールド台北、っといったところねぇ。

「兩喜號」を後に大通りを少し進むと

おや、おやおや?屋台が並ぶ小さな夜市が出現。

「艋舺夜市」という控えめな看板がありました。

超有名な夜市以外にも地元に根差した数多くの夜市があるのね。

夜遅いのに子供がちょろちょろしていたり、

おじいさんがレトロなゲーム台に張り付いて熱戦中だったり。

ほぼ観光客ゼロな普段着&素顔のままのオールド台湾。

好きだな~、ホント、大好き、こういう地元感。

と、一際明るい照明の一軒に目が吸い寄せられる。

あ~!台湾自慢の甘味処ではありませんか!

「龍都冰菓専業家」の看板がアタシを誘惑する。

迷わず入店、台湾初日初デザートは、ここで決まり。

夜の10時過ぎに甘味処がこうこうと明るく営業中、

うふふ、台湾の人も、一日の終わりは甘いもんで〆るのね。

開放的な店内は向かって右側がフルーツ満載のかき氷、

左側が温かいお汁粉スープ系に分かれていて、

どちらも色とりどりのトッピングが宝石みたいに並んでいる。

甘い物に国境も言語の壁もない。

英語と日本語とテキトーな台湾語と手ぶりで意思疎通。

あったかいのと、冷たいかき氷2種、無事注文完了。

温か系は念願の落花生&小豆のお汁粉。

かき氷は落花生、蓮の実、タロイモ、小豆の4種。

夏場のマンゴーに比べると見た目地味だけれど、

これぞ伝統的な台湾おやつなのだ。

いそいそと大きな器をテーブルに運ぶ途中、

ふと店内の壁の写真が目に入った。

歴史を感じさせる数々のモノクロ写真。

あれ・・・?もしかして・・・?ここも老店?

何も知らずに入ってからその事実をしてびっくり。

このお店こそ1920年創業、行列必至という超老舗有名店、

ガイドブックの「かき氷」編のトップを飾る超人気店、

「龍都冰菓専業家(ロンドゥーピングオデュアンイェシア)」だった!

うひゃ~、何にも知らずにふらりと入ったら、

まさに、大当たり、ビンゴ!だったんだぁ。

甘味の神様の思し召しだろうか。

台北発祥のオールドタウン「艋舺」の奇跡だ。

日本統治時代の1920年、この地で屋台から始まったお店。

甘く美味しい艋舺の奇跡物語は明日へと続く。

むふふ、

甘味を信じる者は、

救われる(笑)

(写真は)

偶然見つけた超老舗有名店。

「龍都冰菓専業家」

この看板がアタシを呼んだ。

艋舺の奇跡。