四つの幸福

紅豆、落花生、

タロイモ、白玉。

絹のような氷の上に

台湾伝統の甘味が輝く。

艋舺の四つの幸福。

年末年始野宮的美味台湾旅リポート。

台北到着初日の晩御飯は絶品台湾小吃。

1921年創業の老店「兩喜號魷魚羹」で

イカとろみスープや新竹産の米粉炒めなどを満喫。

さらに食後のそぞろ歩きで奇跡の遭遇。

龍山寺を中心とした門前町「萬華」地区は

かつて「艋舺」と呼ばれた台北発祥の地。

淡水河の交易で栄えた歴史から

敬意を込めて「老店」と呼ばれる老舗が多い場所で、

ふらりと入った甘味処もまた、

とんでもない超有名老舗なのでありました。

1920年創業の「龍都冰菓専業家」。

日本統治時代に初代が始めたかき氷の屋台がルーツ。

当時は大きな氷をノミで砕いてシロップをかけるシンプルなものでしたが、

やがて乾燥フルーツを載せて出すなどのアイデアが大評判になります。

現在の3代目オーナーが子供の頃には次々にトッピングが増えてきて、

今の名物メニュー「八寶冰(バーバオビン)」が誕生。

8種類の伝統的な具材を載せたかき氷であります。

下町情緒あふれる門前町でもうすぐ百年。

龍山寺参りの参詣客や地元の人々に

かき氷や温かいお汁粉や季節の果物ジュースなどを

アイデア満載、かつ誠実に提供し続けて1世紀。

お店のモノクロ写真が甘く懐かしい歴史を物語ります。

むふふ、美味しいものには、必ず物語がある。

さあ、自慢の百年甘味をいただきましょう。

名物の「八寶冰」も惹かれましたが、

ひとつひとつの具材をたっぷり満喫したかったので、

もうひとつの看板メニュー「四菓冰(スーグオビン)」をチョイス。

本来は花豆・落花生・タロイモ・白玉の四種類が載るのですが、

直前のおじさんで花豆が売り切れ、紅豆(小豆)に選手交代。

いいの、あずき、大好きだもん。

見た目は・・・地味・・・渋い。

インスタ映えするとは言い難いが、悶絶級に美味しい!

甘く煮込んだ落花生は薫り高くとろけるよう。

小豆もタロイモもなんとも優しい甘さに癒される。

どれも素材の味、香り、風味が生かされていて、

四つの幸福が滋味深くしみじみ体に染み渡る。

ここのトッピングが昔からすべて手作り。

落花生などは8時間かけて煮込むそうで、

良質の落花生産地として知られる台湾北東部の宜蘭産を使用。

素材も製法も老店は絶対に手を抜かない。

だから百年、支持され、愛され、お店が続くのだ。

そして、あったか系の湯圓(タンユエン)。

紅豆ベースにほくほくの蓮の実とタロイモのお団子をトッピング、

それは優しい甘さのスープにしたてた台湾版お汁粉。

甘さは日本のお汁粉の半分もないくらい。

甘い物が苦手な人もするするいけちゃうはず。

あ~、ほっこりするぅ~、

素材の美味しさや栄養素が細胞すべてに浸透するよぉ。

ちょっとした風邪なんかこれを飲めば治りそう。

ていうか、気がついたら、

出発前から引きずっていたしつこい風邪が吹き飛んでいた!

マスクがずっと離せなかったのに、

喉の腫れも痛みをすっかり良くなっているではありませんか。

凄いぞ、台湾伝統的甘味軍団。

風邪を引いたら、台湾旅行だな(笑)。

初日からオールド台北で

老店の絶品小吃&伝統甘味を満喫。

夜も更けゆく艋舺界隈をもう少しだけそぞろ歩き。

・・・すると・・・この街の

もう一つの顔を知ることになるのでした。

旅は発見の連続。

(写真は)

百年続く「龍都冰菓専業家」

四つの甘い幸福。

「四菓冰」

甘く煮た落花生とろける。

ピーナッツはおつまみだけにあらず。