みんなの神様
開運も健康長寿も
恋愛も金運も
なんでもおまかせ。
誰にもオープンマインドな
みんなの神様。
年末年始野宮的美味台湾旅リポート。
旅の二日目は12月31日、2018年の大晦日。
今年一年の無事を感謝、旅の安全と来年の幸福を願って、
朝一番で台北最古の古刹龍山寺(ロンシャンスー)へ参詣。
龍山寺を中心に栄えた萬華地区に聳えるツインタワーにある最新ホテルから
歩いて5分、この近さなら毎日通える。神様が近くにいると思うと心強いわぁ。
今にも雨が降り出しそうな台北グレーの空の下。
天をめざすような極楽的中華デザインの龍山寺に到着。
朝の9時、壮麗な門の中に次から次へと善男善女が吸い込まれていきます。
境内は青くたちのぼる線香の煙にかすみ、極楽浄土にワープしたみたい。
龍山寺は1738年に創建された歴史あるお寺で仏教と儒教と道教の神様が
仲良く一緒にわんさか祀られている台湾らしいお寺。
朝から凄い数の地元の人々が訪れていて、
それはそれは熱心に祈り続ける姿にいささか圧倒されます。
日本のお寺とはヴィジュアルもお作法も違う雰囲気に
どうしていいのかわからず、まごまごしていると、
「はいはい、あっちでね、お線香もらってね、こっちで火点ける、ね」。
地元の人かお寺の人かわからないおじさんが片言の日本語で教えてくれる。
ほっ、台湾の人は優しい。裏テーマであるノースマホでも旅できそう♪
人の波を泳ぎながら門から入って右側にある売店へ。
「あの・・・お線香・・・」とおずおず所望するまでもなく、
中のおばさんが「はい、一人一本、一人一本ね~!」と
ささっと手際よく、それはそれは長いお線香を一本ずつ渡してくれる。
あれ?いくら?お金は?・・・誰も払っていないし取る気配もない。
なんとお線香は無料。これだけの参詣客が押し寄せるのだから、
有料にしたらお寺の財政も潤うだろうにと下世話な計算をしてしまうが、
台湾の神様は太っ腹、そんなちまちま儲けようとは思わないらしい。
夏の花火のような細長いお線香を持ち、
さっきの場所へ戻ると、待ち構えていたおじさんが早速レクチャー。
「はい、ここで火点けてね、お線香こう持ってね、
前で三拝、真ん中で三拝、後ろで三拝、
最後にあの香炉にお線香差しておしまい。わかった?」
「わかった、わかりました、ありがと、謝謝!」
おじさん、完璧。
教えられたとおりに細長い香炉の中でちろちろ燃える種火に
お線香を近づけようとした瞬間、「違うよ、さかさま!」と同行の夫の声。
間違って持ち手の方に火を点けようとしていたのだ(笑)。
まあ、台湾あるある、というか、龍山寺あるある、と言いましょうか、
私のように赤い持ち手の方に火をつけようとする観光客は
意外に多いようでご注意。煙も香りも出ないで焦げちゃうからね~(笑)。
さっきのおじさんもそこまで面倒みきれないわな、ハハハ。
すんでのところで危機回避、お線香も無事着火。
胸の前で香り高いお線香を真っ直ぐ立てて持ったら、
まずは前殿から観世音菩薩、普賢菩薩、文殊菩薩の三宝仏に三拝。
この1年の感謝、旅の安全、来年の家内安全、健康幸福をしっかり祈る。
年末寒波をすり抜けて台湾へ来られたことも神様のおかげよねぇ。
相当心を込めて丁寧に祈り、目を開けて頭を上げると、
むむむ・・・!私より先にお祈りしていたお隣の地元女性は
まだまだ頭を垂れたまま、何事かと小さく唱えながら、熱心に祈り続けている。
ふと周りを見渡せば、お隣だけじゃない、
地元の人々みんながそれぞれお祈りする時間がと~っても長いのです。
実は台湾の神様へお参りするには、まず自己紹介(!)から始まって、
こういう仕事に転職したいとか、こんな結婚相手を探しているとか、
○○大学の○○学部の入学試験に合格したいとか、
かなり具体的な情報を神様にお伝えするのがセオリーなのだとか。
丁寧に参拝してこそ神様のご利益を受けられるというわけね。
ふ~む、自己紹介に始まって自分の願いことをわかりやすく具体的に伝える、
台湾の神様詣ではプレゼンテーション能力のスキルアップにもつながるなぁ。
確かにねぇ、これだけたくさんの神様がいて、
これだけ大勢の人々が様々なお願いをするのですから、
曖昧模糊で抽象的でそこはひとつよろしく的なざっくりしたお願いでは
受けつける神様だって処理(笑)に難儀するわよねぇ。
神様へ祈るということは、
神様ときちんとコミュケーションするってことなんだなぁ。
さあ前殿での参拝が済んだら、本殿で三拝、後殿の道教の神様たちへ三拝、
関聖帝君のお隣にある恋の神様、月下老人にも一応(笑)三拝、
最後に中央にある大きな香炉にお線香を差し入れ、
浅草寺方式(笑)で全身くまなく煙を浴びせかけ、健康を願って参詣完了。
入門からここまでの所要時間、ざっと30分間以上経過。
知らぬうちにいつのまにかぽつぽつ雨が降ってきた。
多分、地元の人はもっともっと時間を費やしていると思われる。
雨に濡れるのも厭わずひたすら熱心に祈り続ける姿は美しい。
胸の前で長いお線香をすっくと構え、深く頭を垂れる人々。
どんなお願い事を、その神様に託しているのでしょうか。
壮麗な四合院造りの伝統を踏まえた宮殿式建築。
台北で最も古い龍山寺にはその美しい寺院の中に
観世音菩薩も道教の媽祖も三国志の英雄も恋の神様月下老人も
あらゆる神様が仲良く同居、大きな心で誰をも分け隔てなく迎え入れてくれます。
それは血縁、地縁を超えた多くの人々の心のよりどころとなってきた
台湾の大らかな宗教観をよく表していました。
台湾は優しい。
誰にも両手を広げ大きな心で
みんなの神様が待っている。
(写真は)
雨の龍山寺。
人々の祈りがこめられた
真っ赤な大きな蝋燭の炎は
いつまでも燃え続ける。

