門前町煎餅

観音さまに

手を合わせ、

宗春さまに

ご挨拶.したあとは

門前町煎餅が待っていた。

名古屋ビジネス旅最終日、帰りの飛行機までの半日街歩きも

いよいよ最終版となりました。

朝は「コンパル大須本店」で名物エビフライサンドを楽しみ、

天下の名古屋城を駆け足で見学後、念願の徳川美術館&徳川園へ。

近世武家文化の粋を極める名品コレクションを鑑賞し、

瀕死のスマホを一旦ホテルで緊急充電後、再び大須商店街へ。

老舗の「たから」で伝統の味噌煮込みうどんで遅いランチ、

大須のシンボル、日本三大観音のひとつ「大須観音」に参詣、

境内にあるからくり人形「宗春爛漫」も鑑賞することができました。

幕府の倹約令に背き、自ら派手な衣装に身を包み、商業や遊芸を奨励、

芸どころの名古屋の礎を築いたといわれる徳川宗春がモチーフ。

尾張名古屋家7代目藩主はまさに異能のリーダーだったのですねぇ。

筋の通った名古屋魂に感動。

さあ、そろそろ半日街歩きもタイムアップが迫ってきました。

大須観音さんと宗春さんに別れを告げてぐるりと仁王門通りへ。

この通りがまた実に門前町らしい趣にあふれています。

名古屋の二大ういろの風情ある本店や守口漬の老舗、

レトロな純喫茶やたばこ屋さんに射撃場などが立ち並んでいて、

観音様にお参りに来た善男善女に愛されてきた歴史を感じます。

そんな仁王門通りに、やはり、ありました。

門前町にはマストの老舗のお煎餅屋さん。

2軒仲良く並んでいたのですが、朝日マークのお店が気になるぞ。

店名は「朝日軒 観音店」。木造の建物に掲げられた看板の文字に注目。

「創業 大正10年 焼きたてせんべい」とあるではないか。

ひょえ~、亡き父の生まれ年よりも古い。

え~っと大正10年ってことは1921年、かれこれ100年近く、

大須観音のお膝元で煎餅を焼き続けてきたのねぇ。

門前町には百年超えの老舗がごろごろしているのが嬉しい。

お店の前には昔ながらに玉子煎餅や落花生煎餅などが並べられ、

奧では職人さんが一枚一枚手焼きしている様子が伺えます。

かすかに漂う甘い香ばしい匂いにうっとり。

お煎餅というと東日本では米粉の醤油煎餅が主流ですが、

西日本は小麦粉生地の瓦煎餅タイプがメイン。

で、朝日軒の店先に並んでいるのも瓦煎餅系がほとんどで、

尾張名古屋は煎餅分布図的にみると小麦粉煎餅圏に入るようだ。

浅草や谷中のお煎餅屋さんはお醤油の匂いが漂いますが、

大須観音の門前町のお煎餅屋さんでは甘い玉子煎餅の香りがする。

さ~て、どれにしようか、

あまりに種類があり過ぎて迷ってしまう。

えっ?3袋で1080円???

何と善男善女に嬉しい庶民的な値段設定でしょうか。

しかし、ビジネス荷物にお煎餅3袋はちょっとかさばる(笑)。

無理やり詰め込んでも割れちゃうしねぇ。

と、悩んでいると、おかみさんが助け船。

「色々、ちょっとずつ入っている詰め合わせもありますよ」。

なるほど、確かに、「大須観音」の焼き印入りの玉子煎餅や、

胡麻煎餅、味噌煎餅などがよりどりみどり入っている。

じゃあ、この詰め合わせひとつと・・・

ん?なになら可愛いお菓子を発見。

「野菜かすてら」。

どうやら野菜の形をしたベビーカステラ風のお菓子のようだ。

可愛い、珍しい、レトロ&キュートな佇まいに惹かれてこれもゲット。

実はのちに嬉しいエピソードを知るのですが、そのお話は後日。

なんてたって、時間がもうない(笑)。

ぐずぐずじていると、帰りの飛行機が飛んじゃう。

かなり後ろ髪を引かれながら

大正10年創業の百年お煎餅屋さんを後にして

仁王門通りをひたすら進む。

が、また寄り道しちゃうのよ。

あんこ文化の尾張名古屋は誘惑が多すぎるぅ(笑)。

甘い寄り道話は、また明日。

(写真は)

大正10年(1921)創業の「朝日軒」

大須観音のお膝元で百年。

大正、昭和、平成そして新しい世紀も

善男善女のために甘いお煎餅を焼き続ける。