木の紙の国
この国の人は
木と紙の家に住んでいる。
と、かつて世界が驚いたが、
もっとびっくり。
木の紙を作る国だった。
脱プラの波はファストファッションにも。
今朝の朝刊経済面にこんな記事が載っていました。
「H&M『脱プラ』有料袋に変更」。
スウェーデンのカジュアル衣料大手「H&M」を日本で展開する
「H&Mジャパン」は来月5日からプラスチック製のレジ袋を紙袋に替え、
1枚20円(最小サイズは無料)の有料にすると発表しました。
プラスチックごみによる海洋汚染が世界的な問題になるなか、
企業による「脱プラ」の流れが加速している、という内容。
地球環境を守っていくためには企業も消費者も
「お買い物の常識」の見直しが求められているのですね。
お洋服を買ったらお洒落な袋に入れてもらうのが当たり前、じゃない。
全世界で使用される膨大なショッピング袋は自然に戻ることなく、
厄介で困ったプラスチックごみになってしまうわけで、
お買い物をするときには袋の行方まで想像して、
地球のために双方が応分の負担をする時代、なのねぇ。
そんなH&Mの脱プラ記事を読んでいて、ふと思った。
日本には世界的に優れた脱プラ包装素材があるではありませんか。
昭和の時代のお買い物まではバリバリ現役だった「経木」であります。
杉や檜、赤松などの木材を紙のように薄く削ったもの。
かつては肉も魚もお豆腐も納豆も「経木」で包まれていました。
今風に言えばすべて「燃えるゴミ」で捨てることができるし、
土に還る環境負荷の非常に少ない包装材。
子供の頃、母のお買い物にくっついていくのが大好きだった。
お肉屋さん、魚屋さん、お豆腐屋さん、お総菜屋さん、
それぞれのお店がそれぞれの方法で鮮やかに
経木を使って品物を包むのを眺めていたっけ。
一匹まんまのお魚は経木にくるまれ新聞紙でさらに包んでくれた。
経木の真ん中に載せたお肉を左右から三つ折りにたたみ、
包装紙で包んだ後、輪ゴムでぱちんと止める。
圧巻はお総菜屋さん。
グラム売りのおからなどを「200gね」なんて頼むと
白い三角巾をつけた店員さんは経木をくるりと丸めて、
芸術的な三角錐型容器に変身させ、おからをすくって詰めてくれたっけ。
お総菜屋さんのプロの技も凄いけれど、
変幻自在にあらゆる食品を包みこむ「経木」は本当に凄かった。
経木の凄さはまだまだある。
お刺し身やお肉などの表面の水分を適度に吸収し、
木の殺菌成分により味と鮮度を保つことができるのだ。
握りたてのおにぎりをラップで包むと汗をかいてしまうけど、
経木で包むと実に美味しいままで保存することができるのは
木の食品包装「経木」の天然パワーのおかげだ。
経木はもともと経文を書いた薄い木の板がルーツ。
鎌倉末期から使われていたようですが、
江戸時代、鉋の発達によって紙のように薄い薄経木が登場、
食品の包装などに使われるようになったそうです。
さらに経木を紐のように編んだ経木真田は
明治時代の欧米向けの重要な輸出品だったとか。
その昔、欧米の人々は
「日本人は木と紙の家に住んでいる」と驚いたと言われますが、
経木を目にした当時の世界の人々は、もっとぶったまげたかもしれない。
日本人は、木で紙を作ってしまう。アンビリバボー!
美しい自然に恵まれたこの国が生んだ傑作「経木」。
脱プラが世界的課題となっている現代。
「経木」が世界の海を救うかも、しれない。
木の香りも清々しい環境に優しい奇跡の紙。
平成の次の世紀の重要輸出品になるかもしれない。
ニッポンは凄いぞ。
木で紙を作れるんだぞ♪
(写真は)
黄金色の銀杏が美しい。
道庁赤レンガ庁舎の前庭。
色づく銀杏は美しいが独特の匂いも。
経木には・・・向かないね(笑)



