どらやきの旅

大人も

子供も

ドラえもんも

みんなが大好きなお菓子は

昔、きんつばだった?

秋深し。

しみじみいっそう甘いものが恋しい季節。

昨日のおやつはお知り合いから頂いた「なまどら焼」。

ん?「榮太楼」?あの丸いきんつば有名な、

日本橋発祥の「榮太楼本舗」で生どら出したのかと思ったら、

宮城県塩釜市にある「菓匠 榮太楼」のお菓子でした。

へぇ~、みちのくの榮太楼さんですか。

さっそくお店のHPをチェックしてみると

なんと創業は明治11年という百年以上続く老舗。

明治から平成までみちのくの「榮太楼」さんの歴史が紹介されていて、

ちゃんと「昭和60年 なまどら焼 製造販売開始」とあります。

ほほぉ、1世紀に及ぶ社史に刻まれる看板商品らしい。

生どら焼きの発祥のお店は同じ宮城県の「カトーマロニエ」だそうですが、

榮太楼はさまざまなヴァリエーションが人気のようですね。

では、早速、上等の静岡茶を丁寧に淹れて・・・

みちのくの「なまどら焼」、いただきま~す。

うふふ・・・皮はふっくら、

フレッシュな生クリームとあんこのバランスも絶妙。

和菓子の伝統と洋菓子のハイカラさを同時に味わえる

進化形ハイブリッドスイーツは世界遺産級に美味しい。

どらやきも・・・ここまで来たか。

和菓子に、物語あり。

どら焼きと日本橋榮太郎の名物でもあるきんつばは

実はもともとは同類だった時代があるのです。

我がバイブル「和菓子の事典」によると、

江戸時代の随筆「嬉遊笑覧」に「今のどら焼きは又金鍔やきともいふ、

これ麩の焼と銀鍔を取りまぜて作りたるものなり」とあり、

どうやら当時のどら焼きは薄い小麦粉の生地で作った

きんつばに近いお菓子だったようなのです。

さらにこの書には大きいものは「どら焼き」、

小さなものを「きんつば」と呼ぶとも記されていて、

江戸時代にはどらやきもきんつばも同類だったことがわかります。

現在のように卵を入れたふっくら生地になったのは

昭和以降、ホットケーキの影響などを受けて生まれたものらしく、

明治初期や昭和の始め頃の料理書には生地に味噌を入れた製法などもあり、

どらやきも試行錯誤の旅を続けていたことが伺われます。

そして昭和の終わりごろ、

江戸から離れたみちのくで生クリームを加えた

進化形和洋ハイブリッドな生どら焼きが誕生したわけで。

あんこが苦手な人も、ケーキはあまり食べない人も、

軽い甘さの生どら焼きはぱくぱくイケちゃうわけで。

大人も子供もドラえもんも大好きなどら焼きは

平成から次の時代までどんどん進化を続けるのだろう。

江戸時代にタイムスリップして

平成のみちのくなまどら焼、差し入れしてみたくなるなぁ。

ふわふわのホイップ&あんこの美味しさはきっと時空を超える。

「平成のどら焼きは又なまどらといふ」。

江戸の随筆本も加筆されちゃったりして。

秋深し、どら焼きの旅を夢想する。

(写真は)

今やみちのく人気お土産。

塩釜「菓匠 榮太楼」のなまどら焼。

紅茶にもコーヒーにも合いそう。