歓びのうた
友よ
歓びに満ちた調べを歌おう。
駆けよ、兄弟よ。
太陽が大空を駆けるがごとく
天の軌道を渡るがごとく。
札幌コンサートホール「Kitara」に
生きる歓びの歌声が響き渡りました。
歌える喜び、奏でる喜び、聴ける歓び。音楽は素晴らしい。
昨日、第34回北海道ボランティアコンサート「999人の第九」が開催され、
長年参加している88歳の母の応援でKitaraに足を運んだのですが、
例年にもまして深い感動に包まれました。
ベートヴェン作曲 交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」。
壮麗で威厳ある第1楽章に始まり、活き活きした生命力が溢れる第2楽章へ、
天国への道が開けるような美しい第3楽章から
4人のソリストと304人の合唱団が歌い上げる歓喜の第4楽章へと
人間の根源的な喜びをドラマティックに表現する「第九」。
全身の細胞にすさまじいエネルギーが注ぎ込まれたよう。
歓喜の音楽のシャワーは、最高に心地よかった。
「本日、この演奏ができて、本当に良かったと思います」。
演奏終了後、指揮者の佐藤俊太郎氏が万感の思いをこめて語った言葉は
この日Kitaraに集った人々すべての思いを表していたと思います。
6日に起こった地震、停電、断水、そして節電。
はたしてコンサートが開催できるのか。
札幌交響楽団、合唱団、Kitara関係者や事務局などなど
この第九に関わる全ての人々のご努力に感謝、であります。
こんなに幸せな気持ちにさせて頂いて、本当にありがとう、です。
パンフレットには
第九のドイツ語歌詞の日本語訳が一部記載されていました。
生きる喜びと神の愛への感謝が満ち溢れたドラマティックな言葉が
今年は特にじんじんと心に迫ってくるような気がします。
友、兄弟、太陽、天の軌道、星の天蓋、いとしき父。
生きる歓びを歌い上げる合唱の力。
人の声が醸し出すエネルギーは100万キロワット以上のパワーがある。
ブラックアウトの暗闇をたった一夜過ごしただけですが、
またたく星、明け方の太陽、人の温もりに励まされたことを思いだします。
なんだか、
ベートーヴェンをぐんと身近に感じました。
人生いろいろあるけれど、手を取り合って生きていこうぜ。
何があっても夜になれば星は瞬き、必ず朝は来る。
この世界はこんなにも美しいんだよ。
だからさ、みんなで、この喜びを大きな声で歌おうよ。
ですよね?ベートーヴェンさん。
kitaraへ向かう中島公園では秋の気配がそっと近づき、
犬を連れた近所の人々がのんびり散歩していました。
コンサート前に立ち寄った大通公園では
延期されていた「さっぽろオータムフェスト」が大盛況。
食べて飲んで応援しようという人々の熱気で
会場は大入り満員、前へ進むこともできないほど。
被災地の復旧、復興にはまだまだ時間がかかりますが、
北海道中に生きる歓喜の歌が響き渡る日が来ますように。
秋の日曜日、ベートーヴェンに励まされたひととき。
音楽は、人の声は、温かい。
(写真は)
さっぽろオータムフェストの会場の隅で
たくさんの自家発電機が頑張っていた。
「食べて応援」を支える縁の下の力持ち。
電気供給力が戻っても、節電は、忘れない。

