晩夏の使者
梨だ。
梨の季節がやってきた。
ああ、とうとう、
本当に夏の終わりだ。
みずみずしい晩夏の使者よ。
ありがたくも到来物ラッシュの今日この頃。
昨日は実家の母から千葉の親戚から送られた梨のお裾分け。
ああ・・・梨だ
淡い茶色の果皮に包まれた丸々とした果実を見ると
夏大好き女は、とうとう、観念する(笑)。
とうとう、夏も本当に終わりだって。
梨は甘い、みずみずしい、美味しい。
だけど、その姿を果物売り場に見かけるようになると
なぜだか、いつも、切なくて、胸がきゅんとなる。
梨=お盆=夏休みの終わり。
梨が出まわり始める8月になると
広島、長崎の原爆の日があり、お盆が来て、終戦の日を迎える。
日本の夏の終わりの始まりは、
いくつになっても、さまざまな深い思いに包まれている。
メロンやスイカのような盛夏の果物は鮮やかな色をしているけれど、
梨はちょっと渋めな果皮をまとっているのも晩夏の果物らしい。
その淡い地味めの皮に下に清らかな白い果肉が隠れている様子は
粋な夏着物を着こなす和服美人を思わせる。
なんとも日本らしい果物だ。
梨の原産地は中国。
日本には古くから野生種のヤマナシもありましたが、
なんと弥生時代には既に栽培が始まっていたのだとか。
登呂遺跡などから食用にされた梨の種子がたくさん見つかっていて、
おそらく大陸からもたらされた種から栽培したものとみられ、
つまり、梨は日本最古の栽培果物、らしい。
歴史ある果物のプライドを受け継ぐ梨王国が千葉県。
栽培面積、収穫量、産出額ともに日本一を誇ります。
三方を海に囲まれた温暖な気候、
水はけのよい火山灰土壌が梨の栽培に適していて、
健康で元気な梨の木が育つのだそうです。
千葉名物は落花生、だけじゃなかった。
千葉県の梨栽培の歴史は江戸時代に始まります。
そもそもは穀物の栽培に適さない砂地に困っていたところ、
同じような土地である尾張・美濃で梨が採れることを知り、
尾張藩の許しを得て接ぎ穂を得て栽培を始めたのだそうです。
ふ~む、不利な条件からを逆手にとった逆転の発想。
梨の接ぎ木を許した尾張藩も太っ腹。
江戸時代カンブリア宮殿、っぽい(笑)。
こうした先達の努力が実り、江戸末期には
徳川将軍家に献上するほどの極上梨をできるまでに成長。
日本一の梨王国、千葉県の歴史をひもといていくうちに
丸々した茶色の梨は、超ポジティブなイメージになってきた。
なんて、しのごの言っているよりも
まずはもぎたて新鮮な千葉県産の梨を剥きましょう。
「こちらの梨は8月6日に収穫いたしました」。
梨には生産者からのこんなお便りが添えられています。
収穫から1週間程度で食べきることをお勧めします、とも。
そうよね、そうよね、せっかくの新鮮な旬の果物。
弥生人がびっくりするほど甘くみずみずしくなった
2018晩夏の梨、さっそく、いただきます♪
(写真は)
千葉県北総産の「幸水」。
どっしり丸々したお姿。
豊潤な晩夏の使者。

