逃がしたチョコ

まさか、

あんなに売れちゃうとは。

逃がしたチョコは

大きかった。

E.T.も恐縮?

映画「E.T.」。

1982年、世界中で大ヒットした作品、

当時、すでに社会人となりすっかり大人になっていた私も

心をぎゅっとつかまれ、感動のラストシーンで涙したものですが、

ある雑誌に書かれていたエッセイによると

あの有名な映画にちょっと面白い裏話がありました。

甘くて、ある意味、企業人にとってはかなりほろ苦い逸話。

E.T.と心を通わせる主人公の少年エリオットは

森に隠れたE.T.とコンタクトしようとある作戦を考えつきます。

自分の好物のチョコレートを森に点々と置きおびきだそうというもの。

ヘンゼルとグレーテルのパンのかけら作戦の応用か。

はたしてこの子供らしい可愛い作戦はまんまと成功。

チョコに釣られたE.T.が至近距離まで近づいてくるのです。

そうそう、印象的な場面でしたよね~。

その瞬間、緊張感で身構えるエリオットの膝の上に

E.T.は拾い集めたチョコをぽろりと置くのでした。

地球外生物と地球の少年を結んだのは甘いチョコ。

息を詰めてスクリーンを見つめていた観客も

一気にE.T.ファンになった素敵なシーン。

キミと半分こ。

自分の好物を違う星の少年にそっと差し出すE.T.

なんてイイやつなんだ、敵意も警戒も恐怖も吹っ飛んでいった。

その重要な場面でスクリーンに写されたチョコのメーカー、

覚えているでしょうか。

アメリカ最大手のチョコレートメーカー「ハーシー」であります。

映画の大ヒットによってE.T.お気に入りのチョコとして

製品は爆発的に売れ、当時「史上最高の需要」になったそうで、

通常15~20ミリオンドル、つまり20億円ほどのコストが必要な売り上げを

映画一本の成功でたたきだしたことになるらしい。

実はこの話、ビジネス史上に残る有名な失敗談なのでした。

なんでも映画会社が最初に話を持ち掛けたのはM&Ms社。

あのカラフルなチョコでおなじみのメーカー。

確かに映像的には色とりどりのマーブルチョコは画面映えする。

が、なんと、担当者は、あっさりその話を断ってしまい、

2番手に打診されたのがハーシーだったのだそうです。

断った担当者はのちに左遷された、らしい。

ビジネスの成功において「先見の明」は大事。

いかに先を見越し、可能性を見出し、的確に判断するか。

しかし、人間は、完璧に未来を予想することは難しい。

だからこそ、逃がした魚は大きく、

逃がしたチョコは、限りなくほろ苦い。のだ。

E.T.は「COME」と友だちエリオットを自分のオウチに誘いますが、

エリオットは「STAY」とここにいることを選びます。

永遠に続くと思っていた楽しい夏休みが終わってしまったような

切なくて、胸がきゅんとするラストシーンで映画は終わりますが、

もし続編があるなら、E.T.に聞いてみたいような気がする。

ハーシーとM&Ms,どっちが好き?ってね。と、

答えによっては

ビジネス史上の失敗談も名誉回復なるかも、なんてね。

逃がしたチョコは甘くてほろ苦い。

(写真は)

アメリカンなクッキー。

Jimmy’sのトロピカルクッキー、

きっとE.T.も大好物だと思うよ。