早乙女団子

米どころの初夏。

田植えの時期は

笹の葉も蓬も

万物の緑が鮮やかに。。

さあ、笹団子の季節だ。

ピンポ~ン♪

今年も宅配便のお兄さんが

米どころからの初夏の便りを配達してくれました。

夫の故郷、新潟から届いたこの季節恒例の笹団子。

ずっしり重みのある箱を開けると・・・

鮮やかな緑が目に飛び込み、

清々しい笹の香りが鼻腔をくすぐる。

ぎっしり並んだ笹団子の真ん中には

「この用紙下『こしあん』になります」との紙が。

夫婦で粒あん党とこしあん党が拮抗する我が家のために

今年も2種類の笹団子を贈って下さるお心遣い。

新潟のお母さま、毎年毎年、ありがとうございます♪

党是に関わらず(笑)どちらも美味しく頂きますね。

ポルトガル出張で留守中の夫に代わり、

まずは名代として記念すべきお味見を。

敬意を表して、ここはやはり、こしあんから。

イグサの紐で仲良くつながった笹団子軍団から

ぷちっとひとつだけ千切ります。

う~ん、いつ見ても、素朴で愛らしい姿。

青々した笹の葉をバナナの皮のように剥くと

それは緑鮮やかな蓬団子が顔を出します。

笹団子にはお皿も黒文字も楊枝も必要ありません。

ワイルドの手づかみで頭からぱくっ。

う~ん・・・爽やかな蓬の香りと越後の米がマリアージュ。

さらりと上品な甘さのこしあんがまたたまらない。

夫が帰宅したら粒あんのお相伴に預かりましょう。

それにしても何度観ても魅了されるのが

笹団子の愛らしい独特のフォルム。

両端と中央をきゅっとイグサの紐で縛られた独特の形は

どこから生まれてきたものなのだろうか。

笹団子の由来には戦国武将の上杉謙信考案説、その家臣、

または家臣の菓子役人考案説などいくつかの説がありますが、

いつのまにか庶民が郷土料理として作り出したというのが

もっとも現実味のある説のようです。

その昔、農民たちは田んぼで汗水たらして米を作りながらも

丸米(丸のままの白米)は日常自らの口にに入れることはできず、

すべて年貢として納めるしかありませんでした。

そこでわずかに残った欠けたくず米を集めて

美味しく食べつなぐように工夫して生まれたのが笹団子、らしい。

米どころの庶民の知恵の産物が郷土菓子のルーツだったと思うと

愛らしい笹団子がますますいとおしくなります。

新潟では笹団子が月遅れの端午の節句に食べるもの。

ちょうど田植えが終わるころ、田んぼは青々した苗に彩られ、

蓬も笹の葉もいよいよ緑が鮮やかに香りも清々しくなります。

米も小豆も団子をゆわえるイグサやスゲもみんな身近にある。

田植えの労苦をねぎらうように家々では可愛い笹団子を作り、

五つ、十と束ねて軒先に連ね、子供たちが銘々にもぎ取っていく。

一生懸命働く人々の暮らしが紡いできた美しい風景。

きゅっとウェストがくびれた笹団子の愛らしい形も

青々した田んぼできびきび働く女性の姿に重なってきます。

そうだ「早乙女」という美しい言葉がありしたね。

腰に苗をきゅっとくくりつけ、せっせと田植えをするシルエット。

どこか、可憐な笹団子のフォルムに似ているような気がします。

笹団子は、早乙女団子、なのかも。

笹団子は働く人々をたたえる郷土菓子。

そういえば俵万智さんがかつてこんな歌を詠んでいます。

「イッセイの シャツ着こなす若者が ふるさと自慢に言う笹だんご」。

新潟生まれの夫が鼻を膨らませて自慢げに

笹団子の向き方を指南する顔を思い出した(笑)。

はよう、おかえり。笹団子が待ってるよ。

(写真は)

清冽な笹の香り。

きゅっとくびれたウェスト。

早乙女を彷彿させる

新潟自慢の笹団子。