嫁入り饅頭

幾久しく

幸せを寿ぐ晴れの日。

金襴緞子の帯に

甘いお菓子もお忘れなく。

今は昔の嫁入り饅頭。

ほほ~。

「冨来小判」とな。

これは名前も形もめでたいお饅頭。

先日夫がお土産に買ってきた諸国銘菓のひとつですが、

どれどれ?どこのお国かと製造元を見てみると

滋賀県東近江市の「冨来郁(ふくいく)」という老舗。

なにやら歴史がありそうですねぇ。

「冨来郁」は明治5年に近江商人の発祥の地、五個荘で創業したお店。

近江商人、五個荘。ごこそう、ではありません、ごかしょう。

今も舟板塀や白壁をめぐらした蔵屋敷が残り、

国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

HPによりますとご当家の始まりは200年前の享保年間。

材木商を営んでいた初代が分家独立し、

3代目が慶応から明治にかけて菓子業の修業後、開店とか。

近江商人ゆかりの美しい街並みを思い浮かべながら

お上品なお饅頭をつまむひととき、いとおかし。

近江米と丹波の山芋をあわせた生地はしっとりと柔らか。

ふっくら炊き上げた粒あんは北海道産の大納言小豆。

北海道の小豆が近江商人ゆかりの地でいい仕事している。

なんだか誇らしいなぁ。

特徴的な楕円形は小判を模したもので、

丁寧に金色の帯封もされていてます。

近江商人発祥の地らしく、

商いに大切な小判へのリスペクトがあふれるお饅頭。

甘い和菓子でその土地の歴史や背景を知る。

諸国銘菓めぐり、クセになります。

享保年間からお菓子を作り続けてきた老舗。

その歴史を紹介するHPに興味深い写真発見。

家紋入りの大きな漆塗りの重箱であります。

なんでも日本各地にはお嫁入りの時に

お安住を嫁入り道具と一緒に持っていき、

嫁ぎ先でご近所にお配りする風習があったそうで、

写真はお饅頭をたくさん入れて漆塗りの蓋をかぶせて

納めるための容器なのだそう。

金襴緞子の帯締め花嫁御寮が携えた

晴れの日の嫁入り饅頭かぁ。

嬉しい時、幸せな時、いつもそばにはお饅頭があった。

今では結婚式の様式も昔とは変わり、

嫁ぎ先でお饅頭を配る習慣も少なくなりましたが、

万が一(笑)息子が結婚する日が来たら、

婿入り饅頭(笑)注文するのも面白い、かも。

京都では今でも嫁入り饅頭が健在とか。

花嫁のが嫁ぎ先の家風に応じて何色にも染まるようにと純白で

お祝いのお裾分けをしてもらえるように特大の薯蕷饅頭を携え

ご挨拶に回るのだそうです。

何色にも染まる純白・・・もいいけど、

今どきの花嫁はインスタ映えする七色饅頭もあり?なんて(笑)。

現代花嫁饅頭、

色々想像するとちょっと楽しいけど、

婿入り饅頭、どこかにある?

(写真は)

近江商人ゆかりの地。

五個荘の老舗のお饅頭。

「冨来小判」。

小判型のお饅頭、

上品でリッチな味わい。