せせらぎ餅

青葉繁れる初夏。

清冽な五十鈴川の

せせらぎの音が聞こえる。

三筋の餡をのせたお餅。

その名は赤福なり。

ポルトガル出張から戻った夫から

一番先に渡されたお土産はなんと伊勢の赤福(笑)。

国際便が到着したのが中部国際空港でしたからね。

やっぱり買っちゃうよね~。大好きな赤福。

さっそくピンク色の折箱をいそいそと開ける。

さあ、今日はどんな景色が見られるでしょうか。

包みを開けると美しい木版画の栞があらわれます。

毎日絵替わりで届けられる「伊勢だより」。

この日のお題は「参宮街道道しるべ」。

伊勢神宮まであとわずかの明和町の古い家並みの間に

ひっそり残る道しるべの様子を描かれています。

「これより外宮二里」と刻まれた石碑。今で言うと8キロ。

「昔の人は『さあ、もう一息だ』と勇み立ったのでした」。

風情ある栞は赤福を食べる時のもうひとつのお楽しみ。

赤福餅の中に日替わりで入っている「伊勢だより」。

春夏秋冬さまざま季節の伊勢路の風物を描いた木版画は

版画家徳力富三郎氏の作品だそうです。

美しい伊勢の歳時記のなかには山口誓子の俳句と融合したものも。

今日の伊勢だよりはどんなかな?

赤福の折箱には風情たっぷりのおまけがあるのでした。

今は二十四節気の小満の頃。

伊勢も昼間は汗ばむほどの陽気となり、

五十鈴川ではカジカガエルの声が響くようになる季節とか。

心が清らかになるような初夏の清流が思い浮かべながら

折箱の木の蓋をそっと開けると・・・

おおお~、300年間変わらぬ姿で赤福餅が整然とならんでいる。

いつ見てもお見事なヴィジュアル。

伊勢神宮神域を流れる五十鈴川のせせらぎをかたどった赤福。

こし餡につけられた三筋の形は清流を、

白いお餅は川底の小石を表しています。

折箱を開けた瞬間にあの神聖な五十鈴川の景色が目に浮かび、

思わず整然と並ぶ赤福に手をあわせたくなります(笑)。

なんというか神性を帯びたありがたいお餅なのよねぇ。

さらりとした上品なこし餡と

柔らかなお餅のバランスがもう絶妙。

赤福餅のこし餡はすべて北海道産の小豆。

十勝地方と上川地方で栽培された極上のよいお豆たちです。

そしてもち米は北海道は名寄産。

伊勢路名物を支えているのは広大な北海道の大地なのです。

美しい三筋のこし餡と白いお餅。

じっくりと味わううちに

いつしか五十鈴川のせせらぎに

北海道の大地を悠々と流れる大きな川の音が

聞こえてくるような気がしてきました。うふふ。

ちなみに今日の伊勢だよりのお題は「南張メロン」。

浜島町南張(なんばり)特産のメロンだそう。

そういえば北海道の夕張メロンの初セリも

初夏のニュースになっていました。

伊勢路も北海道もおいしい、ね。

(写真は)

日替わりの伊勢だより。

美しい木版画とせせらぎ餅。

赤福は見て楽しく、

食べて美味しい♪