薄衣のレジェンド

おおお・・・

天女の羽衣のような

花嫁のヴェールのような

美しい薄衣をまとった

我が愛しのこしあんよ。

今週は2018ホワイトデーの戦利品(笑)賞味ウィーク。

昨日のお茶時間にはいよいよ真打が登場。

岡山県の「大手まんぢゅう」でございます。

いわずと知れた日本三大饅頭のひとつ。

三越札幌店の菓遊庵の入荷情報をキャッチ、妻の指示を受け、

夫が首尾よくゲットに成功した銘菓中の銘菓であります。

世に饅頭は万に十ほど数あれど、

その味、姿、風格、歴史と4拍子揃うのが日本三大饅頭。

興国2年(1341)に渡来した中国の僧、林浄因を始祖とする老舗、

東京の塩瀬総本家の「志ほせ饅頭」、

嘉永3年(1852)創業の福島県柏屋の「薄皮饅頭」、

天保8年(1857)創業の岡山県「大手饅頭伊部屋」の「大手まんぢゅう」、

まさに日本を代表する饅頭界のレジェンド。

あんこ党にとってはもはや聖人級に饅頭御三家ですが、

なかでも最もお気に入りなのが「大手まんぢゅう」なのでした。

まんじゅうではない、まんぢゅう。

もう仮名遣いからして歴史と風格が漂います。

初代伊部屋栄吉は備前藩主池田候から特に寵愛を受け、お茶会の席には

必ずこの大手まんぢゅうが伊部焼の茶器と共に供されたとか。

甘党のお殿様をノックアウトした大手まんぢゅう。

早速、お茶のおともにご賞味、ご賞味。

風雅な箱を開けると小花柄の愛らしいパッケージが並んでいます。

ひとつひとつ大切に包まれた個包装をそっと開ると・・・

おおお・・・なんと見目麗しいお姿よ。

天女の羽衣か花嫁のヴェールのように極薄の衣から

薄墨色のこしあんが透けて見えます。

あるかなきかのはかない薄衣をまとったおまんじゅう、

そっと手に取り・・・まずは一口。

うわぁぁぁ・・・天にも昇るほど・・・。

さらりと上品なこしあんの美味しさが細胞に沁みわたる。

やっぱり、大好き、大手まんぢゅう。

あまりに極薄で一見あんこ玉のように見えますが、

この薄い皮は大変手間暇をかけて作られているのです。

質の高い備前米を材料に、米麹から作り始め、もち米などを加えながら

じっくり日数をかけて熟成した甘酒に小麦粉を加え発酵させた生地を

北海道産小豆と白双糖で練り上げたこしあんを薄く包み、

蒸しあげて出来上がる大手まんぢゅうは

日本一皮の薄い酒饅頭ともいえるのです。

衣を着ていないようで、実は着ている。

大手まんぢゅう、安心してください(笑)。

極薄生地であんこの風味を最大限に引き出す究極の技。

こしあん好きには、もはや、禁断のおまんじゅう。

誰かが止めなければ、いくつでも手が出そう。

甘く危険なおまんじゅう、いや、おまんぢゅうだ。

しかし、改めて、ここで気づいたことがあります。

大手まんぢゅう、志ほせ饅頭、薄皮饅頭、

日本三大饅頭のあんこは、いずれもこしあんではありませんか。

粒あん党の夫とこしあん党の妻が常に拮抗している我が家ですが、

むふふ、饅頭界のレジェンドは、こしあんだった。

大手まんぢゅうを頬張りながら、鼻が膨らむ妻でした。

美味しいホワイトデーをありがとう♪

(写真は)

この究極の薄衣よ。

岡山の伊部屋謹製「大手まんぢゅう」。

上品なこしあんに

身も心もとろけそう。