百年の味わい
赤レンガの壁。
年代物のジョッキ。
蝶ネクタイのウェイターさんに
白いエプロンのウェイトレス。
百年ビアホールで新年を寿ぐ。
正月3が日が明け、今日から仕事始め。
いつものヨーグルトでいつもの朝が始まりました。
いつもの毎日があることに日々感謝であります。
我が家の正月休み最終日だった昨日は夫婦揃って、
視察(笑)も兼ねて新春の街中散歩へ繰り出しました。
まずはフィットネスウェアのバーゲン会場へ。
ぐんぐん景気よく右肩上がりの体重を何とかせねばと
まずはウェアを新調して気合を入れようという魂胆(笑)。
何事も、カタチからであります。
首尾よくシンプルなヨガウェアをゲットした後は
デパート店内をのんびりクルージング。
それにしてもいまどきの福袋の種類の多さにはびっくり。
レディース、メンズの洋服類や小物、アクセサリーはもちろん、
デパ地下にも各種福袋が目白押し。
和洋菓子、チーズ、サンドイッチ、オリーブオイル、パン、
フルーツ福袋にお魚福袋、さらには黒毛和牛の福袋まで。
めでたい赤の保冷バッグに高級霜降り肉が2パック鎮座、
福袋、というか、肉袋?(笑)。
2018福袋コレクションを眺めたあとは
賑わうお正月の街中をぷらりぷらぷら狸小路方面へ。
今や免税対応のドラッグストアや外貨両替所までが並ぶ
外国語表記の看板や文字が踊るインバウンドの聖地でありますが、
そんな外国人観光客の皆さんにも人気の百年スポットで新年の乾杯を。
そう「ビヤホールライオン狸小路店」です。
1914年(大正13年)創業の老舗中の老舗ビアホール。
街をぶらり散歩した後は「ライオンで一杯」。
札幌市民としてよき伝統を守らねばなりません(笑)。
お正月3日の昼下がり、混んでいるかしら?
「お二人様ですね、今ご用意しますのでちょっとお待ちください」。
蝶ネクタイのマネージャー氏がテキパキと対応してくれる。
入口のキャッシャー奥の壁には開業当時の貴重な写真が。
大正ロマンを感じさせるノスタルジックな洋館風の建物や
当時、工場からビールを運搬していたお馬さんまで。
モダンなカフェ風の店内でハットを被った和服姿の男性客の間を
着物に白いエプロンをつけたウェイトレスが首からカバンをさげて
食券を売り歩く様子もおさめられていました。
当時、大卒の初任給が50円、ビールは一杯5銭。
華やかなビアホールは大正紳士のハレの場だったのでしょうね。
平成30年のお正月に百年の歴史を刻む空間で新年を寿ぐ。
我ながら、なかなか良いチョイスではないですか。
なんて独り言ちていたら「お待たせしました」と
早速、席に案内されました。
うわぁ、満席。
赤いレンガの壁にノスタルジックな照明が温かく灯る店内。
家族連れやカップル、外国人観光客などなど、
さまざまな客層で埋め尽くされたテーブルの間を
蝶ネクタイのウェイターさんや白いエプロンのウェイトレスさんが
忙しそうにくるくるといったりきたり。
お正月はライオンで一杯、札幌のお約束ね。
さあ、ファインホップ3倍使用のエーデルピルスと
アンバーな色合いが美しい琥珀エビスで乾杯。
新年、おめでとう。
くぅぅぅ~、美味いっ!
百年の歴史を誇る北海道最古のビアホールで飲むビ―ルは格別。
今年もいい年になるぞ、絶対に(笑)。
周りの席もみんないい笑顔。
お隣は小さな男の子を囲んだ三世代家族、ですが、
うん?気が付けばパパにじいじに親戚のおじさんと男性ばかり。
「ママたちは福袋のお買い物かもね」
「うん、男ばかりでライオンもいいね」。
勝手な想像を膨らましながらこちらもビールがすすむ。
ふと入り口近くに座った一人客に目が留まりました。
70~80代くらいの男性が店内をゆっくり見渡しながら
一杯のビールをじっくりじっくり楽しんでいます。
賑やかな談笑、さざめきをBGMに時折目を閉じながら
お正月の昼下がりを百年ビアホールで過ごすひととき。
目を閉じた頭の中でどんな風景を見ているのでしょう。
過ぎ去りし日々の思い出か、大切な誰かとの会話か。
若い頃ならそんな姿を淋しそうと思ったかもしれないけれど、
それなりに年を重ねた今は違う。
孤独を味わう姿には物語がある。
どうぞ、ごゆっくり。
目を閉じた老紳士に遠くからそっと声をかけ、
お散歩途中の一杯を楽しみ、店を後にする。
北海道で一番古いビアホール。
百年の味わいがある。
(写真は)
狸小路2丁目に現存する
ビール党の歴史遺産。
「ビヤホールライオン狸小路店」。
三世代でも一人でも
百年を味わえる空間です。

