命の魔法

今年も聖なる季節の到来。

藁のおふとんにくるまれて

特別なパンがやってきた。

一粒の麦の種から始まった

いとしい命の魔法よ。

クリスマスを待ちわびる季節。

大人もわくわくする日々のおともに欠かせない、

この季節だけの特別なパンが今年も届きました。

小樽「エグヴィヴ」特製のシュトーレンです。

幼子イエスを温かく抱く麦藁のふとんにくるまれ、

雪のような真白い粉砂糖をまぶされたおくるみパン。

今年も素敵なパッケージですねぇ。

札幌から車で1時間。

小樽の忍路(おしょろ)は人口300人ほどの小さな集落。

その日本海を望む丘の上にある薪釜のパン屋さんこそ、

全国のパン好きが巡礼に訪れる聖地「エグヴィヴ」であります。

北大理学部で地球物理学を専攻したというオーナー丹野さんが

決してアクセスの良くないこの土地を選んだ理由は明快。

薪釜でパンを焼きたかったから。

学生時代にパンの魅力に目覚め、独学で焼き始め、専門店で学んだ後、

修業したフランスの小さな町や村で焼かれる薪釜のパンが

人々の暮らしに溶け込んでいるさまに感動したそうです。

煙の心配、薪の入手、保管など、薪釜でパンを焼ける条件を満たし、

雄大な大海原がひろがる丘の上こそがベストな選択だったのですね。

理想のパンを焼くための、約束の地。

いやしかし、ホント、便利とは言い難い場所。

一度でもここを車でめざしてごらんなさい。

国道から脇道を入り、「こんなところに本当にあるの・・・?」と

不安に駆られながら細い坂道を登ったさきに・・・おおお~、

1年分の薪が積まれた、おとぎ話のようなパン屋さんがあります。

目の前の青い海を眺めながら食べたタルティーヌの味は忘れられません。

薪釜で焼かれた香ばしいバゲットとバターとジャムと潮風と。

人生最高の買い食いパンだったかも(笑)。

そんな個人的伝説に彩られたパン屋さんから

毎年この時期に届く特別なパン、シュトーレン。

今年もちゃんと夫が予約の手配をしておいてくれました。

ああ、クリスマスがやってくるのねぇ~。

かさかさ&ふかふかの麦藁ふとんのパッケージを開けると

小麦、バター、ドライフルーツ、ナッツがずっしりのシュトーレンがお目見え。

聖夜まで毎日少しずつ、大切にいただきましょう。

ん?

麦藁ふとんのパッケージの裏に何やら文章が書かれています。

「麦の穂が土に植えられて成長します・・・」。

どうやらパン職人さんからのメッセージのよう。

粒から粉になり・・・パン屋へ運ばれ・・・

「粉に最後の魔法が繰り広げられます」。

麦の粒から、はかなく、香り高い、命に溢れた一個のパンへ。

それは、人々の労働の結晶だと、綴られていました。

クリスマスの奇跡

聖なる夜には素敵な出来事がきっと起こる。

大人も子供も素直に魔法を信じたくなる季節ですが、

大切に作られた特別なパンを味わいながら、

自然と人々の労働の結晶が我が家の食卓に届く幸せに感謝。

シュトーレンは麦藁ふとんにくるまれた、命の魔法、です。

今年も、絶品。

(写真は)

「エグヴィヴ」のシュトーレン2017.

手触りも優しく温かい。

麦藁ふとんのパッケージ。

ね?眺めているだけで

なんだか優しい気持ちになる。