乳と塩の満つる土地

しんとした

秋の夜長はブルターニュ気分。

乳と塩が満つる土地が生んだ

甘じょっぱい伝統菓子と

濃い目の紅茶が良く似合う。

燃える紅葉から鈍色の季節へ。

秋の深まりとともに我が家では紅茶の出番が増えてきます。

一日を終わりをほっと締めくくるお茶の時間、

寒くなってくると濃い目の紅茶が恋しくなるのですね。

朝と違ってのんびりゆっくり抽出時間を待てるせいか、

夫婦イブニングティーが近頃のお楽しみ。

超党派(笑)のあんこ党の二人、

和菓子と濃い目の紅茶の相性も大変よろしいのですが、

気を利かせた夫が「お紅茶のおともに」と輸入食品店で買ってきたのが

「ガレット・ブルトンヌ」。グッジョブ、大好き、このお菓子。

ガレットは「平たくて軽いお菓子」の総称、

ブルトンヌは「ブルターニュの」という意味のフランス語で、

ブルターニュ地方の伝統的なサブレであります。

フランスの北西岸の位置するブルターニュ地方は

酪農が盛んな乳製品の産地であり、南部のゲランド半島は塩の産地で、

資格を持った塩職人が作るミネラル分豊かな「ゲランド塩」は世界的に有名。

この乳と塩の満つる土地で生まれた地方菓子が「ガレット・ブルトンヌ」。

ブルターニュの風味豊かな有塩バターをたっぷり使った焼き菓子は

サクサクした食感とリッチな風味と甘じょっぱさがたまりません。

しばしカロリーという単語は忘れましょう(笑)。

フランス菓子店や輸入食品店では

色々な「ガレット・ブルトンヌ」」が売られていて

マカロンほどの厚さのある厚焼きタイプは「パレット」、

薄焼きタイプは「ガレット」と分類されているようです。

うふふ、日本の厚焼き煎餅、薄焼き煎餅みたい。

ちなみに夫がゲットしてきたのは薄焼きの「ガレット・ブルトンヌ」。

薄焼きでもバターリッチな香りは濃厚。

いつにもまして抽出時間をきっちり順守し、

濃い目のセイロン・アッサムティーを淹れ、まず一口。

紅茶の深い香りを味わったら、ガレットブルトンヌを一かけら。

う~ん、ブルゴーニュ的甘じょっぱさ最高。

濃厚なバターの風味と紅茶の心地よい渋みがマリアージュ。

目をつぶればブルゴーニュの海岸が浮かぶようだ。

行ったことないけど(笑)。

・・・待てよ?・・・この濃厚リッチなバターサブレ、

似たようなお菓子を食べたような気がする。

サクサクした食感、甘じょっぱいバターの風味・・・、

赤いタータンチェックの箱に入っていたな~。

そうだ、イギリスの国民的クッキー「ショートブレッド」だ。

そういえばブルターニュはフランス最西端にある地方、

目の前の海峡を隔ててイギリスに面しています。

実は「ガレット・ブルトンヌ」の起源は5世紀頃、

イギリスを追われたケルト人が伝えたショートブレットだとか。

海峡を渡った先のブルターニュは乳と塩の満つる土地。

英国の伝統菓子がアレンジされてフランス菓子になったわけですね。

確かに二つのお菓子は材料も配合も食感も味わいも似ています。

一枚のお菓子が伝える英仏物語、か。

しんとした秋の夜長。

甘じょっぱいガレット・ブルトンヌを

濃い目の紅茶で味わうひととき。

海を渡ったケルト人の文化をそっと偲ぶ。

(写真は)

ブルゴーニュの伝統菓子。

「ガレット・ブルトンヌ」。

イギリス海峡に面した

フランス最西端地方の伝統菓子が

ご近所ショップでゲットできちゃう。

秋の夜長はお菓子で世界旅行。