イタリア叉焼

手をかけ、

時間をかけ、

愛情をかければ、

料理は決してアタシを裏切らない。

だから今日もキッチンに立つ。

早朝、西の空がにわかにかき曇ったかと思うと

どろどろ・・・どど~ん!

秋の雷が徐々に近づき、激しい雨が降り出した。

とたんにひゅっと冷気が半袖の肌をさす。

ああ、まさに寒冷前線通過中ねぇ。

夏日が続いていた札幌もいよいよ秋の本番かもねぇ。

夏の沖縄旅リポート、本日は土曜休みを頂いて、

きょうは昨夜の夏の総決算金曜ごはんのお話を。

部活に勉強に忙しく、夏は帰ってこれなかった息子が

昨日からほんの3日間だけ短い初秋の帰省。

迎える母としては秋らしい献立をと思っていたのですが、

札幌は連日の夏日、昨日もぐんと気温が上がったため、

急きょ、夏の総決算メニューに変更。

前菜は海老とパインのカクテルサラダ、

クミンを効かせたズッキーニの野菜ロースト、

とうがんの含め煮と息子の好物、恒例海老マカロニグラタン、

北海道の秋の味覚、秋刀魚のフリット、

グリーンサラダにバゲットなどなど

この夏活躍したメニューに定番料理もプラスして

行く夏を惜しもうという魂胆(笑)。

そして構想&下準備&調理に三日間かけた渾身のメイン料理は

我が家初登場の「Porchetta(ポルケッタ)」!

イタリアのラツィオ州やウンブリア州、

ヴェネツィアの名物料理として有名なロースト・ポーク。

以前、知り合いのお店でぐるぐる巻きの美味しい豚肉料理に遭遇、

その美味しさに感動、それが「ポルケッタ、豚の香草巻き」だと

イタリアで修業していたシェフから聞いて以来、

いつか作ってみようと虎視眈々、機会を伺っていたのでした。

ポルケッタは骨抜きした豚肉に

ハーブや香草、詰め物などをしてローストする料理ですが、

豚丸ごと一頭丸焼きにする大がかりなものもあれば

豚かたまり肉を丸めてロール状に焼くタイプまで色々。

その歴史は古代ローマ皇帝の好物だった

仔豚の丸焼きがルーツとも言われています。

20世紀初頭にはイタリア移民から新大陸に伝えられ、

今ではアメリカでも人気の肉料理になっています。

世界を席巻したポルケッタ、挑戦し甲斐がありますぞ。

行く夏を惜しみ、食欲の秋を迎えるのに

これほどふさわしいガッツリ肉料理はありません。

3日前、メインをポルケッタに決定、

ネットでさまざまレシピを検討し、いいとこどりで

野宮的オリジナルレシピを頭の中でイメージ。

さあ、材料調達。さすがに仔豚一頭丸焼きは無理、

ローマ皇帝じゃねぇ~よ!(笑)。

大きめの豚バラブロック肉をご近所スーパーで

精肉の担当者にお願いして個別に切り分けてもらい、

1.2kgの塊を前日に受け取る。

ずっしり。重い。初めてのお料理、責任も重い(笑)。

ともかくも香草やニンニクなど必要な材料を揃え、

当日、つまり昨日の朝から、調理開始。

いちばん大きなまな板に

ずっしり1.2kgの迫力の豚バラ肉を横たえる。

武士のごとく精神統一、すっと横半分に包丁を入れ厚みを半分に。

厚い部分のお肉をそぎ取り、薄い箇所に張り付けたりしながら、

慎重にお肉を成型、倍の面積に広げていきます。

表になるミルク色の脂身と裏側のルビー色の赤身肉の両方に

丁寧に切り込みを入れお肉の全体量の1%の塩と黒胡椒をすりこむ。

美味しくなぁ~れ、美味しくなぁ~れ。呪文を忘れずに。

次にフレッシュなローズマリー、タイム、セージを

細かく刻んだ香草類をこれまたすりすりすりすり、

愛情込めて、しっかりすりこんでいきます。

手指に感じる豚肉の感触、弾力がなんともいとおしい。

さあ、いよいよ下ごしらえのメインイベント、

香草をすりこんだ赤身肉を内側にして、

ミルク色の脂身が外側に来るように巻きこんでいきます。

巻き寿司やロールケーキの要領でいけるかと思ったら、

これが、甘かった。

すし飯やスポンジと1.2kgの豚肉、そりゃ全く違うわよねぇ。

ずっしりした手応えに負けないようにぶるんぶるんのお肉を

じわぁ~じわぁ~と力をこめて巻きこんでいく。

むふふ、な~んか、料理人してるって感じ(笑)。

おっと、自己満足している場合じゃない。

ここからが肝心。

巻き終わりがお肉の重量で弾けないよう気をつけながら、

タコ糸で全体をぐるぐる、ぐるぐる。

しっかり巻き付けて、形を整えたら、仕込み完成。

おおお、なんともど迫力の豚肉版超太巻きロール。

ってか、何かに似てない?

そうだ、ラーメン屋さんの自家製チャーシューだ(笑)。

一人でウケながらしっかり密封チルド室で半日休ませます。

はぁ~、ローマ皇帝のお気に入り料理、体力使うわぁ。

さあ、息子も札幌へ向かっている頃。

夕方、チルド室の豚肉ロールを取り出し、オーブンへ。

まずは高温で30分、ひっくり返してさらに30分、

ころころの可愛いベビーじゃがいもを天板にのせ、

さらに低温で1時間、じっくりじっくり焼き上げていきます。

う~ん、オーブンから香ばしい、食欲をそそる匂いが・・・。

じゅわぁぁぁぁぁ・・・。

卒倒しそうに美味しそうに焼けたお肉を

クッキングシートやラップでつつみ、

さらにタオルで包んで息子が到着まで休ませます。

お肉料理は手をかけ、時間をかけ、愛情をかけ、急がない。

美味しい肉汁が元いたお肉に戻っていく、

愛ある放任主義が成功の秘訣(笑)。

さあ、初挑戦のポルケッタはいかに?

・・・もう・・・言葉がない・・・。

カリカリに焼けた香ばしい脂身、

程よい塩味が染みたお肉と香草のかぐわしさよ。

これはローマ皇帝も世界も虜になるはずだ。

カヴァでも白ワインでも冷え冷えビールでも相性抜群。

手がかかり、時間がかかり、

時には失敗、うまくいかないことも多いし、

愛情もいっぱいかけなくちゃいけないけど、

思いもよらない幸せを運んできてくれる。

料理と子育ては、似ている。

ねっ?イタリア版叉焼。

(写真は)

初挑戦&大成功♪

「野宮的Porchetta(ポルケッタ)」。

分厚く豪快に切り分けて、

カロリーは忘れてかぶりつこう。

ローマ皇帝のように。