みずみずしい水玉
季節の果物、
秋色の和菓子、
さりげない前菜や
普段着のお惣菜も。
お料理が喜ぶみずみずしい器。
天高く澄み切った青空。爽やかな空気。
昨日に続き今朝の札幌もまさに秋晴れ。
ご近所スーパーにはぴかぴかの秋刀魚に秋鮭が並び、
雑貨ショップはハロウィンのディスプレイ、
テレビニュースでは早くもおせち商戦到来を告げている。
秋がアップテンポでやってくる。
さあ、夏の沖縄旅2017・終盤6日目リポート、
秋に抜かれないよういささか急いで続けましょう(笑)。
本島南部、青い海と聖地と工芸のまち南城市クラフト散歩。
琉球王朝を統一した尚巴志の生まれ故郷である佐敷地区には
個性豊かな工房が点在、まずは手染工房「doucatty」を訪問後、
のどかなサトウキビ畑の中の「陶房 眞喜屋」へ。
新たな琉球スタンダードを感じさせる端正な器に感動。
眞喜屋さんは沖縄陶芸界の巨匠、大嶺實清氏の元で修業後、独立。
読谷村の陶房「壹」の壱岐幸二さんとは兄弟弟子にあたり、
その壱岐さんに師事し、同じ佐敷屋比久で窯を構えたのが
「宮城陶器」の宮城正幸さん。
うつくしき沖縄やちむんの系譜をたどってさっそく訪問。
「陶房 眞喜屋」さんから車で数分というご近所でした。
赤瓦屋根の門をくぐると亜熱帯の木々や芭蕉が茂るお庭があり。
そして住宅兼工房の奥には風情ある古民家ギャラリーが。
静かな空間は京都の老舗骨董店のような趣があります。
聞けば、対応してくれた奥様のご実家なのだそう。
王朝以前から栄えていた佐敷地区の歴史を感じますね。
窓の向こうには濃密な南国の緑。
柔らかな光が差し込む程度にトーンダウンされた室内は
美しく整然とディスプレイされた作品を鑑賞するのに最適。
ふ~む、う~む・・・これはよい景色ですなぁ、なんて
なんちゃって目利き(笑)などしたくなる気分。
いや、実際、本当に素敵な器ばかりなのです。
土臭さ、無骨さ、素朴といった
従来持たれがちなイメージとは全く違う新たなやちむん。
伝統的な技法や意匠を確固たる土台にしながら、
シンプルでモダンで端正で、それでいて柔らかな器たち。
温かみがあるのにハイセンスでお洒落でアーティスティック。
パリや北欧のショップに並んでいても不思議じゃない感じ。
特に気に入ったのは白化粧に藍の染付の角皿。
きっちり正方形のスクエアなフォルムに
温もりのある白地に伸びやかな染付が施されています。
伝統的な点打ち技法も若い感性が描けば軽やかな水玉に。
一見無造作に描かれているようですが、
高度なデザイン的計算がされているに違いありません。
お料理を盛り付けた絵を想像すると、どんぴしゃ。
これは載せるお料理をみずみずしくする魔法の角皿。
伝統的になり過ぎず、現代的になり過ぎない。
壱岐さん、眞喜屋さん、宮城さんの作品には
どこか共通する絶妙なバランス感があります。
シンプルでモダンだけど使い勝手が良さそうで、
眺めているだけでお料理を作りたくなってくるような、
食卓、キッチン、暮らしに寄りそう素敵な器。
宮城さんの水玉角皿にもう一目惚れ。
大き過ぎず、小さ過ぎず、
程よいサイズ感の角皿。
潔くすっきりした美しい正方形、
主張しすぎないシンプルなデザインは
食卓の色々な器たちと引き立てあってくれるに違いない。
みずみずしい水玉に何を載せましょうか。
わくわくしながら、「これ、札幌まで送って頂けますか」と
水玉染付の角皿を持っていくと、
「ほかの工房さんでも何かお買い求めですか?」と奥様。
「え、え~、色々な工房お邪魔してますけど・・・」と答えると、
「確か那覇のとある運送業者さんにご自分で持ち込まれると、
陶器用に梱包して一括で送ってくれる、らしいんですよね」とのこと。
えっ、ええ~~~っ!知らなかったぁ~!
工房ごとに配送料払って送っていた旅人。
カチャカチャガッシャーン、
頭の中でこれまでの発送料金を積算、心の中で号泣(笑)。
もっと早く、そんなお得情報、知っていればぁ~~~。
「はぁ・・・し、知りませんでしたぁ、
もう、いっぱい、送っちゃってましたぁ」うなだれる旅人。
「ですよね~、私も最近まで知らなかったですもの」
慰めてくれる奥様。
いやいや、超貴重情報、今後の旅に生かします。
ってことで、今回は単体で角皿を送る手はずをして
気を取り直して、笑顔で工房を後にする。
やちむんに恋する旅人は、次なる目的地へ。
心して向かうのは
なんと1週間に2日しか開かない超レアな工房へ。
さあ、出会えるでしょうか。
水曜と木曜だけオープンの幻ギャラリーのお話は
また明日。
(写真は)
心地よいほの暗さも魅力。
老舗骨董店のような空間に
美しくシンプルモダンな器が並ぶ。
お料理好きにはたまりません。

