不撓不屈情熱コーヒー
亜熱帯の森。
手つかずの大自然が
最適の栽培地だった。
酷暑も台風も乗り越える。
不撓不屈の情熱コーヒー。
夏の沖縄旅2017の4日目は本島北部ドライブ。
沖縄本島の名護市以北「やんばる(山原)」は
北上するほどに人を寄せ付けない亜熱帯の大自然が広がる地域。
那覇から本島南北を縦断する沖縄自動車道を走って2時間超、
まずは第一のミッションを果たすべく東海岸、
日本一のパイナップル生産地東村へ。
国産パイナップルの最高峰「ゴールドバレル」を現地調達後、
地元スタッフに教えてもらった隠れ家茶屋「夢蘭」の
緑あふれるオープンエアな東屋で極楽ランチ。
台風接近の影響でいよいよ空は薄暗く
湿った暖かい風がやんばるの森をざわざわと揺らし、
亜熱帯の大自然のエネルギーを全身で感じます。
これほど圧倒的で濃密な緑の中にすっぽり包まれると、
自分も原始の森の一部に溶け込んでいくような感覚が。
雨が降っても風が吹いても全部が全部が沖縄旅の思い出。
生命力あふれる自然の前に謙虚な気持ちになります。
女将さん心尽くしの沖縄そばとピザとぜんざいで
心もお腹もほっこり満たされ、あきらめない気持ちが復活。
第2のやんばる重要ミッションに再挑戦であります。
午前中から何度電話してもつながらなかった、
「ヒロコーヒーファーム」へダメもとで行ってみよう。
一応営業時間は12時からとなっているし、もしかすると。
沖縄産コーヒー栽培のパイオニアの地。
やっぱり、気になるもん。
「あ~コーヒー屋さんね、やってるはずだけど、電話出なかった?
ここらはやったりやらなかったり、ありますからね~」と
先程のスタッフと同じようなリアクションが可笑しい。
先代のお母さんが営んでいた沖縄そば屋を継いで
緑あふれるお庭を活かした茶屋にしたという女将さん。
やんばる旅のオアシスはほっこり緩やかな空気に包まれていた。
いつか、また、寄りますね。ごちそうさまでした。
はてさてレンタカーに乗り込み、
県道70号線を高江集落方向にちょっと戻ると、
お、おおお~、手作りのウッディーな楽し気な看板が出ている。
「HIRO COFFEE FARM」「OPEN」!
やった、良かったぁ、開いていた~、第2のミッション、クリア。
ハワイ風の可愛い看板に誘われて敷地に入っていくと、
ピンクに青、グリーン、黄色をカラフルな配色のキュートな建物。
緑の芝生でコーヒーを楽しむお客さんの足元には
放し飼いのニワトリさんがコッコ、コッコ、コケコッコ♪
これぞ、亜熱帯楽園コーヒーファーム。
沖縄はコーヒー豆栽培の北限地。
亜熱帯の気候風土から甘みのある上質なコーヒーが育つのです。
ブラジル移民が持ち帰ったコーヒーの苗を受け継ぐ形で
農園が開かれたケースが多く、北部やんばるを中心に
現在では数十件のコーヒー農園がありますが、
「ヒロ・コーヒーファーム」はその草分け的存在。
沖縄コーヒー栽培のレジェンドでもあるのです。
ハワイでコーヒー栽培を学んだ先代足立浩志さんが20数年前、
コーヒー栽培に適した土地を探してたどり着いたのがここ東村高江。
亜熱帯の土壌と気候を活かし無農薬による自家栽培で
コーヒー豆を作り続けていましたが、2009年他界、
2010年から娘の朋子さんが農園とカフェを引き継いでいます。
コーヒーの神様に導かれてやんばるの森の中で花開いた琥珀色の夢。
「ヒロ・コーヒーファーム」はコーヒー好きにとってひとつの聖地。
沖縄にコーヒーを根付かせたフロンティアスピリットに
北海道民はいたく共鳴するのであります。
しかし、コッコが走り回るのどかな敷地、
どこに車を停めていいのか戸惑っていると、
「空いてるところにどうぞ~、トラックの前でもどこでも」
ピンクのカフェから出てきた朋子さんが
気さくな笑顔で声をかけてくれました。
ラフなTシャツ姿のオーナーは若き日の夏木マリ似の美人さん。
言葉の端々にかすかな関西弁が混じっています。
父の夢を継ぎ、思えば遠いところで頑張ってるのですね。
さあ、まずは自慢の沖縄産コーヒーをオーダー。
手書きの黒板メニューには
「お好きな場所でくつろいでくださいネ」。
南国カフェの中で、コッコと遊びながら、緑を眺めながら。
いいなぁ~、こんなに開放的で極楽なカフェはそうそうない。
飛行機に乗って高速走って、電話つながらなくてもあきらめなくて
ホント、よかった。
焙煎の違うミディアムとストロングから選ぶホット&アイスのほか、
ミルクラテ、有機ココアにヒロ・コーヒーゼリーなどもあり、
放し飼いコッコ卵のコーヒープリンまで。
おおお、コッコさん、ただ走り回っているだけじゃなかったのね。
ちゃんと毎日卵を産んでお店の経営に寄与しているんだ(笑)。
コッコ卵のプリンも惹かれましたが、
ここはやはり「ストロングのアイス」を注文。
「はい、ちょっとお待ちくださいね~。
良かったらコーヒーの木がすぐそこにありますから
ご覧になってみてください。緑の小さな実がなってますよ」。
夏木マリ似の朋子さんが指さす先を見ると・・・
おおお~、建物のすぐ脇にお客さんが間近に見られるように
すくすく育った熱帯生まれのコーヒーの木が植えられていた。
艶々した緑の葉っぱをよ~く観察していると・・・
あったぁ~、可愛い緑のコーヒーの実。
で、沖縄産コーヒーの先駆けとなった農園はどこにあるんだろう。
「コーヒー農園はどこですか?」と朋子さんに聞くと」
「畑はね、この建物の裏。黒いネットの下が全部コーヒー」とのこと。
ピンク色のカフェの小窓からは朋子さんがネルドリップで丁寧に淹れる
薫り高いコーヒーの香りがしてくる。
伝説の沖縄産コーヒーを味わう前に
コーヒーの神様に導かれた農園をこの目で見なくては。
やんばるの森の中。
亜熱帯のジャングルに抱かれるような
伝説のコーヒー農園には
大自然と戦う不撓不屈の情熱物語があった。
あきらめないコーヒースト―リーは
明日へ続きます。
(写真は)
やんばるの森の中。
亜熱帯の真昼の夢のような
カラフルなピンク色のカフェ。
「ヒロ・コーヒーファーム」。
コッコはどこかに遊びに行っちゃった(笑)。

