ユンヂチ2017
「今年はユンヂチ
お墓事承ります」
?ユンヂチ?お墓?
沖縄地元新聞で見つけた
不思議な広告のお話。
夏の沖縄旅2017リポート、
今日はお盆休みにふさわしい話題を。
那覇の定宿ホテルで焼きたてオムレツ、島野菜にフルーツなどなど
いつものように美味しい朝食を楽しんだ後、コーヒーを飲みながら
地元紙をじっくり読む時間は沖縄旅の楽しみのひとつ。
1面トップ記事から小さなミニ記事まで隅から隅まで目を通します
だって、今の沖縄を知る手掛かりが満載、
旬の話題やイベント情報などなど旅のヒントもいっぱいで、
その日の朝刊記事で行先を決めたこともしばしば。
記事とともに見逃せないのが広告。
リアルな沖縄の暮らしを直に感じることが多いのですが、
その日、目に飛び込んできたのが「ユンヂチ」という言葉。
「今年はユンヂチです お墓事ならお任せを」等々、
石材店などお墓関連の広告がやたらと目立つのです。
ユンヂチ?お墓?と旅人の頭は?だらけですが、
地元向けの広告、わざわざ「ユンヂチ」の説明などはない(笑)。
ので、スマホでさっそく検索。
ユンヂチ・・・。
ほっほぉ~、そういうことですか。
「ユンヂチ」とは33か月に一度設けられる旧暦の閏月のことで、
沖縄ではお墓を建てるならユンヂチが良いとされ、
今年2017年がそのユンヂチに当たるのだそうです。
そうか、だから、やたらとお墓関連の広告が多いわけね。
コピーの意味はざっとわかりましたが、
そもそも、なぜ、沖縄のお墓は「ユンヂチ」に建てるの?
謎は深まるばかり。
謎のカギは沖縄の暦。
我が家愛用のJTAカレンダーもそうですが、
県民が使うカレンダーや手帳には必ずと言っていいほど、
新暦と一緒に旧暦が掲載されています。
沖縄ではお正月やお盆などほとんどの年中行事が
旧暦によって沖縄ならではの作法で進められている証。
しかし旧暦の1年間は364日、365日の新暦とは年間で11日の差、
2年間では22日、3年間では33日と1か月ほどの誤差が生じてきます。
そこで新暦と旧暦の日数調整のために
約33か月に一度設けられる余分な月「閏月」が「ユンヂチ」なのですが、
この余分な1ヶ月は「あの世では、ない月」とされていているのだとか。、
つまり、どういうことかというと、天の目がこの世まで届かないので、
本来厳格に守るべき旧暦の細かな決り事やしきたりに融通をきかせて
ある程度自由な日程で進められるため、お墓を建てたり、改葬したり、
墓じまいをなどのお墓事をするなら「ユンヂチ」が良い、というわけ。
な~るほど、神様が片目をつぶっている間にすませましょってことね。
旧暦に基づいた昔ながらの暮らしのカレンダーには
神様と人間の微笑ましい交流が息づいているのですね。
33か月に一度訪れるユンヂチ、
19年のなかで7回のユンヂチがあり、今年2017年がまさにその年。
新暦で言うと2017年1月28日が元旦、2018年2月15日が大晦日、
この期間が2017年のユンヂチとなるわけです。
なので墓石屋さんにとってはまさに今年はかき入れ時、
新聞広告にやたらお墓の写真がめだつのも納得。
なかには「ユンヂチセール開催中」なんて張り切っている広告も。
ユンヂチ過ぎたら墓石が値上がりする、なんて話もあるそうで、
なんとも人間界らしい(笑)。
ちなみにユンヂチでお墓を建てた後はお墓の落成祝い。
線香やうちかび(打紙)、米、酒、硯に筆やお供物を用意し、
立派な墓が完成したことをご先祖に報告し子孫繁栄を祈る御願の後、
地域に伝わる祝い歌をうたい、お骨を収め、ご馳走を飾り、
お墓のお祝いをするそうです。お墓=お祝い。
ご先祖様の新築落成祝い、という意味があるのですね。
となると、ユンヂチの年はお墓関連だけじゃなく、
お菓子やオードブルなどお供物系もかき入れ時ともいえるわけで、
旧暦に基づいた沖縄の暮らしは
結果的に経済をうまく回す役割もあるようだ。
太陽の暦と月の暦の調整で経済効果を生み出すなんて
沖縄の神様はなかなか経済通なのかもしれない。
とかく仏事はしんみりというイメージがありますが、
考えてみればあの世から大切な人たちが帰省してくるお盆は
賑やかに家族が増え、集合するひとときとも言えます。
そういえば亡き父のお墓参りもいつもちょっと嬉しくなる。、
無沙汰を謝り、日々を報告、家族の無事を祈るうち
この世の私たちは大きな何かに癒され、心が穏やかになる。
いつも夫婦二人の我が家にも
お盆の間はそれぞれ亡き父二人が逗留中(笑)。
ユンヂチの今年、特にお墓事の予定はありませんが、
どうぞ送り盆までごゆっくりご滞在下さい。
心やすまるユンヂチのお盆。
(写真は)
沖縄の地元紙で発見。
「ユンヂチ」広告。
沖縄以外ではまず見かけない。
旅したら地元紙を読むべし。

