ふらりレジェンド

暮れなずむ那覇の街。

昔ながらの路地を入ると

赤い行灯が旅人を待っていた。

建物も佇まいも料理最高。

名居酒屋はかくあるべし。

夏の沖縄旅2017リポートを再開、

4日目の夜ごはんは那覇最古参の名居酒屋へ。

本島北部やちむんへのロングドライブから戻り、

ホテルで仕切りなおして、暮れなずむ那覇の街へいざ出陣。

心配していた台風の影響も徐々に薄れて

西の空にはうっすらオレンジ色の夕陽も見えてきました。

明日はいつもの夏空が戻ってきそう。

ほっとしながら賑やかな国際通りをそぞろ歩き、

昭和レトロ感たっぷりのディープな路地が見えてきました。

映画のセットのような「竜宮通り」を入ってすぐ、

風情ある木造2階建ての建物に温かな行灯が灯ります。

1955年創業、那覇で最も古い居酒屋のひとつ「小桜」。

先々代が一家そろって徳之島から沖縄へ移住し、

ここに小さな割烹料理屋を構えてから62年。

移り変わりの激しい那覇の中心地にあって

今も愛され続けるレジェンド的名居酒屋なのでした。

運よく予約が取れて今夜が初の訪問。

「こんばんは」歴史ある建物に足を踏み入れます。

「いらっしゃい、ご予約の方?」と穏やかな笑顔で

迎えてくれたのは先代、2代目店主でしょう。

こじんまりしたカウンター席の奥へ座り、店内をぐるり見渡す。

いい・・・実にいい雰囲気・・・初めてなのに落ち着く温かさ。

新参者もほっこり馴染み、勝手に常連さん気分(笑)。

「いらっしゃいませ、お飲み物はどうされます?」

カウンターの向こうからお髭も素敵な3代目が声をかけてくれます。

家族で力を合わせてお店を続けてきた「小桜」、今は若き3代目が切り盛り、

その姿を嬉しそうに見守る先代の眼差しがとても印象的。

「え~っとまずはオリオン生と・・・」とお品書きを見ていると

「お料理はハーフサイズにもできますから、色々少しずつどうぞ」と

ナイスアシスト、なんて素敵な心遣い。

長く常連客やリピーターに愛されてきたわけですね。

厳選された沖縄料理が並ぶ中から、まずは

「自家製スーチカー(豚の塩漬け)」と「ハンダマーの白和え」

目の前の水槽で元気に泳ぐ(?)立派な「海ぶどう」、

そして小桜名物「みそピー」を注文。ハーフだと安心して頼める。

冷えたオリオン生は素早く運ばれてくるし、

たくさん頼んだ料理も実にいいタイミングで運ばれてきます。

店内は心地よい和やかな空気が流れ、まさにストレスフリー。

吉田類さん気分でまったり名居酒屋の雰囲気に酔う旅人(笑)。

手間のかかる伝統料理「スーチカー」は美しいバラ色をして超美味。

「ハンダマ―の白和え」は歯触りも香りも最高、絶対作りたてね。

海ぶどうの粒々感は半端なく、お口に中に沖縄の海が広がる。

そして「みそピー」。揚げたピーナッツを奄美産の粒味噌で和えた一品は

香ばしく、甘じょっぱく、味噌とピーナッツのコラボがたまらない。

粒味噌は徳之島出身の一家にとって家庭の味、故郷の味だそうですが、

道産子の旅人もはまってしまう懐かしい絶品料理。

どれもこれもお酒が進む、お喋りが弾む。

カウンター席の後ろには

沖縄県内43醸造所の泡盛も勢ぞろい。

ずらりと並んだラベルを見ながらどれを飲もうか悩むのも

お酒好きにとっては至福のひとときでしょう。

が、さほどお酒に強くない旅人は想像の中でほろ酔い。

おっと、そうだった、お腹がいっぱいになる前に

絶対に頼まなくてはならない逸品があったのでした。

お店の歴史とともに

那覇で一番と呼ばれるあの一品。

シンプルだけど奥深い。

魔法のソーメンチャンプルーのお話はまた明日。

美味くて、びっくりするさぁ~!

(写真は)

賑やかな国際通りから

昭和レトロな路地に佇む

名居酒屋「小桜」

大人になって良かった、と

しみじみ思うお店です。