たどりつけない場所①
たどりつけるか
わからなかった場所が
たどりつけない場所になった。
その意味を謙虚に考える。
ある聖地のお話。
夏の沖縄旅2017リポートを再開、
楽しい旅も早くも後半、5日目となりました。
心配された台風も本島から遠く離れ、いつもの夏空が復活、
眩しい太陽の光が戻り青空には真っ白な夏の雲が輝いています。
沖縄の夏、やっぱりこうでなくちゃ。
さあ、5日目は本島北部の本部半島をめざします。
美ら海水族館など人気の観光スポットが多い本部半島ですが、
旅人の目的はジンベエザメでもマンタでもなく、
「たどりつけるかわからない聖地」。
そのために朝8時前に那覇の定宿ホテルを出発、
本島を縦断する沖縄自動車道をひた走り、終点許田ICを降り、
美しい東シナ海に突き出した本部半島の北端へ。
まだ早い時間なので、美ら海渋滞もさほどではありません。
が、間に合うかな・・・間に合うかな・・・旅人の心ははやる。
何を気にしているかというと、干潮の時間。
この日の午前の干潮時刻は9時27分、
それをめざしてはるばる那覇から走ってきたのです。
時間、空間、それ以上の何かをクリアしないと
たどり着けないある場所をめざしているのでした。
それが「備瀬のワルミ」。
美しいフクギ並木で有名な本部町備瀬地区のとある場所に存在する
昔から地元の人が大切にしてきた聖地であります。
「ワルミ」とは割れ目のことで、
巨岩の割れ目から真っ青な海が見える絶景中の絶景らしいのですが、
その存在も詳しい場所もアクセスもガイドブックには皆無。
噂を聞いて目指しても途中で迷って行けなかった人が多く、
「神に選ばれた者だけがたどり着ける」と言われるほど。
何せ地元本部町発行のガイドマップにも載っていないのです。
実はのちに「本当にたどり着けない場所になる」ですが、
その後日談はのちほど触れることにして、話を7月初旬へ戻しましょう。
偶然その存在を知った旅人はまず事前に確かな情報収集。
前日の北部やんばる旅の際に立ち寄った許田ICの道路情報ターミナルで
案内ガイドさんに詳しい「備瀬のワルミ」事情を伺っていたのでした。
まず昔から地元の人々が大切に守っている聖地であること、
節度とマナーを守った上で可能であれば寄らせてもらう場所であること。
場所や生き方より、まず大事なのは、そこがどういう場所かを
あらかじめきちんと理解していくべきことを再確認。
「備瀬のワルミ」に限らず、
沖縄では昔からあらゆる場所に神が宿るとされていますから
観光客が興味や好奇心優先でドカドカ踏み込むことは
厳につつしまなくてはならない場所がたくさんあるのですね。
大きな木や岩の下にそっと香炉が置かれていることもしばしば。
大学の構内や基地のフェンス前でご先祖をお迎えする清明祭を
行う様子を見かけることもありました。
そこに暮らす人々が大切に守り続けているものへの敬意は
旅するものが最低限守るべきマナーであります。
その上で、次に大切なのが訪れる時間。
「ちょっと待ってくださいね~、行かれるのは明日ですか?」と
アウトドア男子系の地元ガイドさんが
おもむろに手帳を出して何やらチェック。
「干潮の時に行かないと割れ目の間の岩が海に隠れてしまうんですよ。
え~っと、明日の干潮時刻は・・・午前9時27分、那覇から来れます?」
「行けます!行きます!大丈夫、朝早く那覇を出発します!」。
たどり着けるかわからない聖地のためなら、早起きなんて何でもない。
というか、超朝型人間、毎朝、朝日と一緒に起きてるもんね(笑)。
「じゃあ、早起きしてめざしてみて下さいね」と
デジタル世代のガイドさんはPCを駆使して
詳しい場所、現場までの細い細い小道ルート、目印などなど
貴重な情報を次々と教えてくれました。
GPS画像でワルミへの入り口もチェック、
これは確かに地元の人でなければわからない場所。
行くまでも、行きついてからも、大変そう。
「ここに車2台くらい停められるスペースがありますが、
ここに停められなかったら、ご縁がなかったというか・・・」
「ですね、神様に呼ばれなかった、ということですね?」
「まあ、残念ですけど、そういうことかも(笑)」
「わかりました。ご縁があるかないか、とにかく明日朝、
干潮時刻めざして行ってきます」
「はい、どうぞ、お気をつけて」。
備瀬のワルミ。
その意味を知り、
場所も生き方も行くべき時間もわかったけれど、
はたして本当にたどりつけるのか。
そしてその場所が今どうなったのか。
明日の「たどり着けない場所②」に続きます。
(写真は)
神に選ばれた者しか
たどりつけない聖地へ行けるのか?
前夜「小桜」絶品おつまみでパワーチャージ。
スーチカー、みそピー、ハンダマーの白和え。
沖縄のすべてにリスペクト。

