トンテンカンテン~沖縄夏旅2017・vol.8
土と木と人。
つくる喜びにあふれる島。
思いついたら
トンテンカンテン。
陶芸家はなんでもつくる。
沖縄夏旅リポートの前に・・・34.9度って!?
昨日の札幌の最高気温は那覇より高かった。
西向きの我が家のリビングはおそらく40度超え?
日が暮れても気温が下がらす、人生初、
保冷剤を首に当てて、暑さをしのぎましたよ。
北緯43度にいながら沖縄バカンス気分、
ってことにしておこう(笑)。
で、夏本番の沖縄旅2017,2日目はやちむんの旅。
沖縄の焼き物(やちむん)の聖地、読谷村を訪れています。
恋してやまない陶芸家さんの工房ギャラリーを巡礼(笑)。
心は満足、お腹ペコペコでたどりついたのが
作家プロデュースの超ハイセンスなカフェ、
「TOU cafe and gallery」。
読谷村の中心的存在「北窯」を構成する4人の親方の一人、
松田米司さんの娘さん二人が今年4月にオープンしたお店。
「やちむんの里」から少しは離れた静かな住宅地の奥、
広い敷地内にゆったり建てられたモダンな建物には
お父さまの芸術的な作品を展示するギャラリーと
どこをとってもすっきり美しいカフェが併設されていて、
まるでNYかパリの現代美術館を訪れたかのよう。
高感度インテリア雑誌「casa BRUTUS」の
最新号にも紹介されているお洒落な空間ですが、
気取った感じは一切なく、どこか温かく、素朴で、ハートフル。
ハイセンスだけど、手に馴染む。沖縄のやちむんみたい。
先程からほのかに鼻をくすぐるのはスパイスの芳香。
さあ、「TOU」のために作られた器で
料理担当次女七恵さんの絶品カフェ飯を頂きましょう。
「どうぞ、チキンと茄子のカレーと
タンドリーチキンピタサンドです♪」。
うわぁ~、いい香り、美味しそう、お洒落~。
長崎の名喫茶店「けやき」で修業したお料理に
沖縄ならではアクセントを加えたランチとやちむんの競演。
目にも舌にも胃袋にも鼻腔にも女子心にも大満足。
程よいスパイシーさ、豊かな滋味、島野菜もたっぷり。
もう、お洒落な空間でパクパク食べちゃう。
う~ん、美味しかったぁ~。
食後のハイビスカスティーなど飲みながら、
まるでギャラリーのような空間をもう一度堪能。
「建物の設計とか、インテリアとか、どなたがされたんですか?」
ようやく人心地ついた腹ペコの旅人、
七恵さんとギャラリー担当の三女萌さん、美人姉妹に尋ねてみる。
「設計は福岡の建築家さんで、藍や紅型のタペストリーは
沖縄の作家さんたちが贈って下さったんですよ。お店に合うかなって」。
へぇ~、素敵。
沖縄の工芸やファインアートに関心のあるひとたちの
交流地点になればというお二人のコンセプトが
早くもカタチになっていっているのですね。
どっしりした一枚板の木のテーブルは京都のギャラリーで、
一見李朝箪笥のようチェストは何とアフガニスタンの家具とか。
美しいカタチが素敵な思いに呼ばれて集まってきたのね。
古くから世界と交易してきた工芸の島らしい空間だ。
「あ、お座りになっているその木のテーブルは、父が作ったんです」。
えっ!?ええっ~~~!
萌さん、笑顔でさらりと凄いことをこともなげに話す。
あの「北窯」の松田米司さんが?
やちむんの伝統を現代に活かしながら、
健やかで素直で美しい焼き物を生み出す沖縄を代表する陶芸家が、
この木のテーブルを、作っちゃったの?
「何でも作っちゃうんですよねぇ~(笑)。
そこらにあった木で、ひょひょいと、トンテンカンテンって」。
娘さんはパパの日曜大工みたいに笑って話しますが、
そのパパは、北窯の松田米司氏。
おそらくはガジュマルらしい密度の濃い木で
シンプルなデザインで仕上げられた木のテーブルの美しいこと。
土を操る手は沖縄の木も自由自在に操ってしまうのだ。
つくることを神様に約束されているんだろうなぁ。
「松田米司作って書いといた方がいいですよぉ。
是非譲ってぇ~って、みんな欲しがりますよ~」と
興奮する旅人に、娘さん二人は
「まっさかぁ~、そうですか~?」とコロコロ笑う。
食後のお喋りも楽しいカフェ&ギャラリー。
読谷村に移住して、毎日通いたいくらい。
ふと、同じ敷地内、緑のはざまにちら見えしていた、
二棟の赤瓦の琉球建築のお家を思い出した。
「あの、赤瓦のお家はどなたか住まわれているんですか?」
「古い方は祖父たちが暮らしていた家で
今は倉庫に使っているんですけど、その隣は父たちが住んでいます。
この辺りは先祖代々、松田の土地なんですよね」。
なるほど、親方のルーツそのものの場所で、次世代の娘さんたちが
ハイセンスな沖縄工芸の交流拠点をオープンさせたのですね。
沖縄のカタチはこうして受け継がれていくのだ。
松田米司さんはあるインタビューでこう語っている。
「よいものでも使われなければただのゴミだと思います。
惜しまれつつなくなるのは要求されていないだけ。
求められれば、伝統の美意識に則った上でなら、
何だって作りますよ」。
沖縄の器が人の心を幸せにしてくれる秘密がここにある。
おおらかな創作意欲で健やかに土を練る作家たち。
何だったら、テーブルだって、作っちゃう。
トンテンカンテン。
沖縄の読谷村、濃密な緑のはざま。
美しい芝生のアプローチの向こうに
モダンでスタイリッシュなカフェ&ギャラリーが出現する。
きりりとした空間で耳を澄ますと、
トンテンカンテン。
創作の喜びの音が聞こえてくる。
「TOU cafe and gallery」。
読谷村散歩の際はぜひ。
素敵なカフェタイムが過ごせます。
(写真は)
娘さん自慢のお料理が
パパ松田米司作の木のテーブルに。
ウチのパパは世界一、だね。
器もテーブルも作っちゃうんだ。

