ワイルドイタリアン

さらさらと

身体の中を

せせらぎが流れていく。

すがすがしい香りと清涼感。

今年もこの季節がやってきた。

夏の浜辺からの贈り物。

石狩産「ハマボウフウ」。

海岸の砂地でたくましく育つ多年草で

かつては日本中の浜辺で見られましたが、

現在では砂浜の減少や乱獲などによって激減。

今では非常に希少な野草ですが、

特産物として栽培されたものが市場に流通、

プレミアムな存在として人気が高まっています。

春から初夏にかけて

旬を迎えるハマボウフウ。

今年も夫の知人から石狩市生振(おやふる)産の

それはそれは立派なハマボウフウが送られてきました。

宅配チルド便の箱を開けてびっくり。

潮風に耐える自生物のハマボウフウは10cmほどですが、

農家さんの手によって大切に育てられた栽培物のそれは

大きいものは20cm超え、茎も小指ほど太かったりと、

すくすく育ったスーパーボディに思わず目を見張りました。

何と立派なハマボウフウ。

ちょちょいと刺し身のツマにするにはもったいない。

う~ん、料理人の腕が鳴る(笑)。

セリ科独特の爽やかな香りを生かすには

やはり天ぷら&おひたし。

まずは赤みを帯びた根についた砂を洗い流し、

水気を十分にふきとって、大きさ別に仕分け。

大きいものはおひたし、手頃なサイズは天ぷらね。

天ぷら・・・というか、

オリーブオイル至上主義の我が家、

正確にはイタリア風フリットと言うべきか。

キレイに洗ったハマボウフウ一本一本の水分を

丁寧に優しくキッチンペーパーで拭き取ったら、

大きなビニール袋に入れて小麦粉をふり、シャカシャカ、

さっと薄化粧を施し、卵と氷水、小麦粉をざっと混ぜた衣にくぐらせ、

少なめのオリーブオイルでさっと揚げていきます。

和食の粋「天ぷら」と思うと、技術的に色々考えちゃいますが、

そこは陽気なイタリアン「フリット」と思えば、

ぐんと許容範囲が広くなるような気がする(笑)。

そうそう細かいこと気にせずに、要は美味しく揚がればいいのよ、

食べてボーノなら、結果オーライ♪

元気なハマボウフウを次々とオリーブオイルに投入、

大らかにさくさく揚げていくのでした。

揚げたてをやちむんの大皿にざっくり盛り付けて、

粟国島のマース(塩)を添えて、

さあ、いっただっきまぁ~す♪

さく・・・ふわり・・・すぅ~・・・。

軽い歯触りの後に鼻腔を抜ける爽やかな芳香。

さらさら・・・身体の中を清流のせせらぎが流れていくようだ。

ハマボウフウは、やっぱり海岸のハーブだ。

ミツバ+ミント+ショウガ+山椒=ハマボウフウ。

いや、もっと他のハーブも芳香もミックスされているかも。

とにかく爽やかで清涼感あふれる香りの集合体なんだな。

色々なハーブの香りを持つオールスパイスの香り版、

洋の東西を超えたオールハーブな野草。

オリーブオイルとの相性も抜群。

そういえば春先のイタリアでは

野生のアスパラガスを日本の山菜のように珍重、

フリットやリゾット、パスタにして楽しむそうです。

季節と土地の恵みを味わう素顔のイタリアン。

石狩産ハマボウフウのフリットは

初夏の北海道のワイルドイタリアン。

くぅ~、冷えたビールが止まらないぜ(笑)

(写真は)

ハマボウフウのフリット。

もう立派な食卓のメイン。

季節を味わう。

北海道ワイルドイタリアン、最高♪