頭足人の夢

点々から線へ。線から円へ。

円に手足が生えて

「頭足人」が誕生する。

世界中の子供が描くボーダーレスな造形。

頭足人の不思議に迫る。

日曜日の朝刊の読書欄が

長年の疑問をす~っと解消してくれた。

子育て時代から気になっていた謎の造形「頭足人」。

頭から手足が出ている胴体のない人間、

3~5歳の子供が必ず描く不思議な人物像です。

このブログでも取り上げたことがありますが、

幼い息子もある時期集中的に描いていたものです。

なんとも不思議で神秘的な「頭足人」。

さらにミステリーなのはこの「頭足人」、

洋の東西を問わず子供が必ず通過する表現方法だということ。

国境も民族も宗教も関係なく世界中の子供が描くのです。

その理由を知りたくて、色々調べてみたのですが、

美術の門外漢の情報収集力には限界があり(笑)、

人間って、不思議ね~ということでお茶を濁していたところ、

今朝、そうか、そうだったのか、長年の疑問が氷解。

朝刊の書評欄に載っていた一冊の本、

「『お絵かき』の想像力 子どもの心と豊かな世界」。

著者は東京芸術大学出身、武蔵野大学名誉教授である皆本二三江氏。

美術教育界の大御所が子どもの絵の謎を解き明かしてくれました。

書評記事によると子供の絵の始まりは生後8か月頃、

物が握れるようになると、紙に点々を打つ点描をするようになり、

1歳を超えると線を描き、やがてぐるぐる渦巻を描き始めます。

はっ・・・、そうだそうだ、思い出した。

息子も「頭足人」の前、ぐるぐるぐるぐるお絵かき帳が

渦巻きでいっぱいの時期があったっけ。

何でもこの渦巻き線は一本線の完全円を描くための練習。

やがて3,4歳で完全な円を描けるようになり、

これは「空間の誕生を意味する」とか。

学術的に見ても人間以外の霊長類は完全円を描けないそうで、

子どものお絵かき帳は貴重な人類の進化の証なのだ。

で、空間の誕生を意味する完全円に

長短の線を組み合わせて誕生したのが「頭足人」。

まず頭から2本の線が出る2本足で描かれ、次に4本足、

やがて胴体が描かれ、胴体から手足が出て人間の姿になるのですが、

著者によるとこの不思議な2本足の頭足人は

「四つ足歩行していた人類の祖先の正面像」なのだとか。

確かに四つ足歩行を正面から見ると

胴体は頭に隠れて見えない、頭から手足が出ているよねぇ。

人間の、子供の、想像力、想像力に驚愕するばかりだ。

ヒトって、スゲェ~。

赤ちゃんの点描から、線描へ、頭足人を経て人間の姿へ。

子どものお絵かき帳に記された軌跡は

人間以前の祖先からの歴史を描いたものとも言えるわけで、

お絵かきブックはある意味、人類の遺産というわけだ。

おっと、まずい、息子のお絵かき帳、とっておくんだったな~。

いやいや、納戸の奥に何冊か残っているかも。

我が子がヒトとして進化してきた貴重なエビデンス。

あの不思議な造形が長年心を捉えてきた理由が

今朝、ようやく、わかった。

人類、いや人類以前の祖先の歴史の追憶だったからだ。

ヒトは本当に不思議だ。

母のお腹の中で生物の進化の過程を辿って誕生し、

赤ちゃんから幼児にかけてお絵かきを通して

人類の進化の過程を追認する。

大事なことは、忘れないように。

神様がインプットした巧みなシステムなんだろう。

世界中の子供が描く頭でっかちの不思議なヒト。

頭足人は、どんな夢を見るのだろう。

誰か小説にしてくれないかな。

(写真は)

サッカーJ1、

コンサドーレ札幌は大宮に1-0で快勝!

ホームでは絶対負けない。

そういえば、手を使えばいいのに、

あえて足と頭でボールを操るサッカーという競技。

ちょっと頭足人っぽい、かも?