薄着あんぱん

五月は雨で始まった。

咲き始めの桜並木に

初夏の雨が優しく降り注ぐ。

桜と五月雨。

北国ならではの美しい情景。

淡いピンク色の桜に

絹糸のような五月雨が降る朝。

繊細な水彩画のような眺めに

しばし見とれてしまいました。

北海道らしい皐月の始まり。

な~んてしみじみしていたら、

朝の情報番組が「今日からクールビズ」と伝えていた。

北の大地ではやっと桜が咲いたと喜んでいるのに、

そうですか、そうですか、お江戸は早くもクールビズ、

ジャケット脱いで薄着の季節到来なのですねぇ。

・・・ん?・・・ある意味、あのパンも、クールビズ?

昨日の日曜日の朝、お散歩がてら、

ご近所のペンギンベーカリーで焼き立てパンを買ったのですが、

そのなかに、ある禁断のあんぱんが・・・。

大きさは子供のこぶしほどのいびつなヴィジュアル。

ごく薄いパン生地から小豆色のあんこがまだらに透けている。

その名も「薄皮あんぱん」。

トングでそっとはさむと・・・ずし。

あんこの重量が手に伝わってくる。なるほど、

極薄のパン生地があんこの重みに耐えかねてのいびつさなのね。

あんこ好きには禁断の薄皮あんぱん。

イケない、こんなあんぱんは、イケない(笑)。

そりゃあ、あんぱんを食べるたびに、

もっとパンが薄ければいいのに、

いっそ、あんこだけだといいのに、

と心の中でイケない欲望を膨らませていましたが、

そんなあんこ好きの妄想を現実にしちゃうなんて、

こんな、あんこだらけのあんぱんを食べてしまったら、

もう、昔の自分に戻れなくなってしまう(笑)。

イケない、イケないと言いつつ、

ほんのり温かいいびつな薄皮あんぱんを二つに割る。

うわぁ、この世で最も魅惑的な断面(笑)。

紫だちたる小豆色の粒あんがぎっしり、

まとっているのは天女の羽衣のごとき薄きパン生地。

しかもところどころ小豆色が透けている。

あんこ好きは完璧にノックアウト。

そうだ、お江戸はクールビズ。

あんぱんだって、薄着したい季節だ。

厚いコートを脱ぎ捨てたご近所ベーカリーの薄皮あんぱん。

あなたの誘惑にはあらがえません。

今度はいつ会える?

薄着あんぱんに恋する五月。

(写真は)

ね?

たまらないでしょ?

このほぼほぼあんこな断面。

焼き立て薄皮あんぱんは

あんこまでほのかに温かった。

あ~、幸せ。