桃始めて笑う月
弥生三月。
外は雪でも氷点下でも
カレンダーが春を告げる。
桃始咲。
今日から三月。
朝一番で家中のカレンダーを弥生へ衣替え。
JTAの美ら島カレンダーの三月はザトウクジラ。
慶良間諸島座間味島のホエールウォッチングの場面が
サンゴ礁の海の春を告げています。
青い海原で勇壮な大ジャンプをみせるクジラくん、
春の訪れを巨大な全身で喜んでいるよう。
写真を眺めているだけでウキウキしてきます。
春一番、春告げ魚などなど
春を表わす素敵な言葉はたくさんありますが、
ことに心を魅かれるのは春の季語。
たとえば俳句に使いやすい五音の季語、
「春寒し」「春の朝」などの時候を表わすものや
「朧月」「春の霜」「花の雨」などの天文、
「雛祭り」「桜餅」も人事の季語だし、
「梅の花」「初桜」といった植物、「猫の恋」も立派な季語。
うふふ。
こうして文字にするだけで気持ちが浮き立ちます。
三月生まれのせいでしょうか、
外は雪景色でも、吐く息が白くても
今日から弥生三月だと思うと、ただただ嬉しい。
真っ白な大倉山や手稲山も今朝は何だか柔らかく見える。
稜線がまろやかになだらかになったような気がする。
気のせい?
「山笑う」。
春の季語にぴったりの言葉を見つけました。
そうか、気のせいじゃなかったんだ。
まだまだ白い雪に覆われた北国の山々も
弥生三月の到来に思わず頬を緩めるのですね。
季節が移ろう一瞬を切り取る繊細な感性に感服。
日本人の言語感覚は世界遺産レベルだ(笑)。
山笑う、だよ。まさに。
美しい四季の移り変わりを二十四等分して
それぞれの季節をあらわしたのがおなじみの二十四節気。
さらに細かく機微に分け入り二十四節季を三分割、
ほぼ5日おきに自然の様子をあらわしたのが七十二候ですが、
春の七十二候のなかにも大好きな言葉があります。
それが「桃始笑」(ももはじめてわらう)。
ね?文字も音も意味もほっこり春気分になるでしょ。
もうすぐ雛祭り。
華奢な枝にそってたくさんの可憐な花をつける桃の花。
昔は花が咲くことを「笑う」とか「笑む」とも言いました。
小さな花が愛らしくほころぶさまはまさに笑っているよう。
寒い冬に耐えて、堅く閉ざしていた蕾も
「水温む」春の訪れを予感して、微笑むように笑う季節。
桃始めて笑う月がやってきた。
山が笑い、
桃が笑い、
人も笑う。
弥生三月には笑顔が似合う。
さあ、桃の花でも買ってこよう。
(写真は)
我が家のリビングで笑う。
琉球張り子のシーサー。
夫婦が基本ですから、
ある意味お内裏様とお雛さま(笑)
プリミティブな色使いが元気を誘う。
春が来る、ぞ。

