春の雀
ああ、春はすぐそこだ。
山の雪はどんどん減り、
街の雀がチュンチュン賑やか。
爽やかな朝、
耳をくすぐる春の雀よ。
朝一番、窓を開けられる幸せ。
寒い冬は頑固に凍り付いていたガラス窓が
ある日、す~っと開いた時の嬉しさは
北国に暮らす人ならわかるはず。
生まれたての朝日を浴び、
新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込み、
春の到来を実感するのでした。
チュンチュン♪
あれ?雀?可愛い鳴き声にも季節を感じます。
雀かぁ、春の季語だったかしら。
あらためて調べてみると年中見られる身近な鳥のため、
単独では季語になりませんが、
「雀の子」「子持ち雀」などは春の季語になるようです。
「雀の子 そこのけそこのけ 御馬が通る」
有名な蕪村の一句も
春に生まれた雛がよちよち歩く様子を愛でたもの。
尾崎紅葉は親目線でこんな句を読んでいます。
「子雀や 遠く遊ばぬ 庭の隅」
小さな冒険をする子雀への注がれる優しい眼差し、
雀も人間も親心は同じ、ほのぼのしますねぇ。
年中見られる身近な鳥ですが、
とりわけ春の雀にはいとおしさを感じます。
そんな春のお茶時間にお似合いなお菓子が
旅のお土産で頂いた岡山銘菓の「むらすずめ」。
元祖「むらすゞめ」「村雀」等々、色々なメーカーで
製造販売されているようですが、今回頂いたのは
きびだんごで有名な廣榮堂の「むらすずめ」。
抹茶と桜色の春らしい個包装を開けると・・・
おおお・・・中央がちょとっとくびれた独特の形。
カステラのような生地を薄く焼き、餡を包んだお菓子は
その表面の色や焼き上げる時にできた気泡で
豊かに実る米を表しているらしい。
命名されたのは明治10年、元祖橘香堂。
豊穣を祈願する豊年踊りの際に被る編み笠を模し、
踊る人々の様子が稲穂に群がり優雅に舞う雀のようだと、
「むらすゞめ」と名付けられたのだそうです。
春ではなく豊穣の秋の風景をイメージしていたようですが、
お国名物の和菓子はいつ食べても風流風流。
雪解けがぐんと進んだ北国の晩春。
「雀始巣(すずめはじめてすくう)」。
七十二候にこの時季を表すこんな言葉がありました。
むらすずめを食んで春を実感。
春の雀。野宮的季語にしちゃおうっと(笑)。
(写真は)
岡山銘菓「むらすずめ」。
元祖から変化球まで色々。
白桃、マスカット、チョコ、モカ、レアチーズ味まで
ご当地では進化系銘菓もあるらしい。
伝統と革新が和菓子界を活性化する。

