旅情団子
な、なんと、
これは迂闊なことであった。
日本三大饅頭はあるのに、
日本三大団子はない?
ねぇねぇ、花より団子でしょうが。
日に日に春の気配を感じる今日この頃。
遠い南の桜前線活発化に刺激されたのだろうか、
近頃、無性に、団子が食べたくなる。
日差しの温もりを感じると団子センサーが発動するのだ(笑)。
というわけで、先日「六時屋タルト」をゲットした松山物産展で、
ちゃんと忘れずに買いましたぞなもし。
道後温泉名物「坊ちゃん団子」。
愛媛・松山といえば、坊ちゃん団子。
夏目漱石が道後温泉に行った帰りに
食べたと言われる団子にちなんで作られた名物団子。
松山の複数のお菓子屋さんで作られていますが、
道後温泉の休憩で出されるのが「うつぼ屋」の坊ちゃん団子。
私も松山旅行の際に浴衣姿で頂きました。
緑・黄・黒の小さなお団子が三つ、
お行儀よく串に刺さった姿は実に愛らしく、
歴史情緒あふれる建物の欄干から温泉街を眺めながら
熱いお茶とともにぱくりと頂くひとときは、まさに「旅情」。
そんな旅の楽しい記憶とともに心に残る思い出の坊ちゃん団子は
野宮的「日本三大団子」のひとつに君臨していたのであります。
だって「日本三大饅頭」があるんだから、団子版もありでしょ。
と、勝手に思っていたのですが、
あらためてざざっとネット検索してみたところ、
意外や意外、「日本三大団子」の記事はほとんど見当たらない。
みんな、お団子にちょっと冷たくない?(笑)。
遣唐使の時代からあったという歴史あるお菓子なのにね。
いいよいいよ、勝手に野宮的「日本三大団子」紹介しましょ。
あくまで個人的な見解です(笑)。
まずは我が北海道代表、七飯町「沼の家」の「元祖大沼だんご」。
1905年(明治38年創業)の大沼だんごは、初代が陸蒸気に乗って
大沼にやってくる観光客向けに新粉の団子を作ったのが始まり。
木の折に小指の先ほどのお団子が串をささずにびっしり並べられ、
その上に6:4程の割合でこしあんととろりとした醤油だれが。
変わらぬ製法と伝統を守り続けていて賞味期限はその日限り。
小さなお団子を口に運べば、陸蒸気のシュシュポッポが聞こえる・・・
ような気がする、旅情満点団子。
そして東京代表、夏目漱石に正岡子規、文豪が愛した「羽二重団子」。
文政2年、初代の庄五郎が現在の本店がある東日暮里、
当時の音無川のほとり芋坂の地で茶屋を開業、
街道往来の人々に団子を供したところ、
きめ細かく羽二重のようだと大評判となり、
そのまま商標の「羽二重団子」となったのでありました。
しこしこした歯触りの団子に渋抜き漉し餡の載せたものと
昔ながらの生醤油の焼き団子の二種類があり、
江戸情緒たっぷり、明治の文豪気分も味わえます。
そして愛媛は道後温泉の「坊ちゃん団子」。
札幌の物産展で買ってきた小さな一串を食べれば
心はぽかぽか春の日差しに包まれた松山に瞬間移動、
美しい松山城をめぐり、重要文化財の湯につかり、
俳句と野球を愛した子規ゆかりの地をめぐる・・・。
小さなお団子がそんな心の旅に誘ってくれる。
「大沼だんご」「羽二重団子」「坊ちゃん団子」
勝手に野宮的「日本三大団子」のキーワードは「旅情」。
一串食めば春の旅に誘ってくれる。
日本にはそんな素敵な旅情団子がたくさんあります。
三大・・・では済まないかもね(笑)。
春だ、団子だ、旅に出たい。
(写真は)
松山「うつぼ屋」の坊ちゃん団子。
文芸本風の箱入りもありますが、
2本入りの小分けパックも。
ぱきんとパックごと、一本ずつに分けられる。
伝統の旅情団子、消費者ニーズをくすぐる。

