小説は事実より・・・

あ~、

またやっちゃった。

またも一気に読んじゃった。

あんなに面白かったのに、

もう読んじゃった。

しつこい風邪が長引き、

ここ数日外出を控えて自宅でおとなしく療養生活を送る妻に

愛情深い夫(笑)から「何か欲しいモノある?」との帰るコール。

「え~っとね、プリンと杏仁豆腐と、あれ、例の本買ってきて」

「了解、久米さんご推薦のあの本ね」。

夫婦とも敬愛する久米宏氏がラジオ番組で絶賛していた話題の新刊本。

塩田武士著「罪の声」。

「これは、自分の声だ」。

ある日、父の遺品から見つかった一本のカセットテープ。

再生したテープから聞こえてきたのは幼いころの自分の声。

それは昭和最大の未解決事件で恐喝に使われた音声と

全く同じものだった・・・。

小説「罪の声は」数々の謎を残したまま

今も未解決の「グリコ・森永事件」を題材にしたフィクション。

こんな凄い小説は久しぶりに読んだ。

ノンフィクションを超える、フィクションだ。

事実は小説より奇なり、と言いますが、

小説は事実よりも奇なり?

1頁目を読み始めたら最後、もう徹夜を覚悟して下さい。

もう頁をめくる手を止められません。

元新聞記者の著者ならではの綿密な取材に基づいた小説は、

コツコツと貼り絵のように情報の欠片を重ね合わせていくうちに

謎に包まれた未解決事件の真相を炙りだしていくのです。

そうか、グリ森事件って、そうか、そういうことだったんだ。

おっと、これはフィクションだった、ノンフィクションじゃなかった。

でも・・・本当に・・・こういうことじゃなかったの・・・?

一気読みした直後も、今も、なんだか頭が混乱している。

「罪の声」は事実と小説の谷間に読者を放りこむ魔力がある。

こういう本に出会っちゃうから、読書は、やめられない。

小説の断片でも書いてしまうとネタばれになってしまいそうで、

内容については一切触れませんが、

本の帯に書かれたコピーが、もう、すでにたまらない。

「未解決事件の闇には、犯人も、その家族も存在する」。

しつこい風邪を引いていようと、体がだるかろうと、

「いいかげん寝なさいよぉ~」と夫に小言言われようと、

一度火がついた活字中毒者につける薬はありません(笑)。

頭と冴え冴え、ハートは熱く、結局ほぼ一気読み。

本の神様は残酷だ。

面白い本だから、もっとゆっくり読みたいのに、

面白いから一気最後まで突っ走っちゃう。

はぁ・・・「罪の声」。

面白過ぎるのが罪深い、今イチオシの一冊、であります。

え?で、グリ森の犯人は誰かって?

それはね・・・、

うふふ、

本屋さんへGO。

(写真は)

読後のどら焼き。至福の時間。

夫の知人が送って下さった妹背牛町名物の逸品。

「大黒屋」の栗どら。

生地はしっとり、あんは甘さ控えめ、ごろっと入った大きな栗。

面白い本と、美味しいどら焼き。

しつこい風邪も退散しそう。