千の丘の国のコーヒー

爽やかな香り。

柔らかい甘みと

心地よい酸味が絶妙。

琥珀色の一杯が誘う世界旅行。

行き先は千の丘の国。

「珍しいコーヒー見つけたよ」。

夫が会社帰りに買ってきたコーヒー豆。

ご近所に世界中から輸入しているコーヒー生豆問屋の支店が

あるのですが、そこの店頭で発見したそうです。

その名は「ルワンダ・ニャムウェンダ」。

ルワンダ。

遠い遠いアフリカ大陸にある小さな内陸国です。

かつては「アフリカのスイス」と称されたほど

自然の美しい国でしたが、長年の内戦で疲弊し、

最近になってようやく復興の兆しが見えてきたルワンダ。

熱帯性気候の国土の大部分が大部分が丘陵地のため、

別名「千の丘の国」とも呼ばれています。

標高1500~2000m級の火山灰質土壌の高地は

コーヒー栽培に最適の条件に恵まれていて、

現在、コーヒー豆はルワンダの輸出売上第一位、

琥珀色の一杯で国を立て直そうとしているところなのです。

ニャムウェンダとは代表的なコーヒー精錬所の名前。

肥沃な大地と豊富な雨量に恵まれて生産される品種は主に「ブルボン種」。

その品質は世界的に高く評価されていて

「最も優れている東アフリカのアラビカ豆」と称賛されているとか。

コーヒー豆の売り上げから学校や病院、道路、橋などが建設され、

女性や子供たちの生活、教育環境の改善にも貢献しているそうです。

ルワンダはまさに琥珀色の復興を遂げている途上なのですね。

そんな背景を知った上で、

いざ、「ルワンダ・ニャムウェンダ」を淹れてみましょう。

ん?袋に「北海道焙煎」と書かれています。

なんでも北海道の冷涼な気候環境はコーヒー豆の焙煎に最適、

ふくよかな味と香りに仕上がるのだそう。さすが北海道発専門店。

遠いアフリカの千の国から運ばれてきたコーヒー豆は

やや浅めの焙煎、優しい琥珀色をしています。

美しいアフリカの内陸国の風景をイメージしながら

じっくりと心をこめてコーヒーを淹れる。

さあ、いただきます。

う~ん・・・何とも爽やかな香りが印象的。

その味わいは・・・優しい甘みとすっきりとした酸味が素敵。

一言で表わすとすれば、フルーティーな華やかさ、という感じ。

後味にはほのかなココアバターのような丸みも感じます。

「ルワンダ・ニャムウェンダ」。

まるで優雅なレディーのよう。美味しい。

いつもはスタバのエスプレッソブレンドですが、

こうして単一品種のシングルオリジンコーヒーを飲むと

それぞれ個性豊かなコーヒー豆の味わいに、はっとします。

千の丘の国で育ったコーヒーは実に果実味がたっぷり。

そうだ、コーヒーって、果物だったんだって、実感する。

1994年3ヶ月間で100万人が犠牲となったルワンダ虐殺から20数年。

世界各国の支援を受けて人を軸に復興を続け、

「アフリカの奇跡」とも呼ばれる経済成長を成し遂げようとしています。

一杯の琥珀色が世界の現状をそっと教えてくれました。

ルワンダの人々は勤勉で、学んだことをすぐ実行する誠実さがあり、

モノ作りに向いた国民性を持っていると言われます。

日本もかつて戦後の荒廃から真面目で勤勉な国民性を原動力に

経済大国にまで成長した歴史があります。

内戦で疲弊したアフリカの小国から船に乗せられ、

北海道の港に荷揚げされ、丁寧に焙煎されたルワンダのコーヒー豆。

奇跡の一杯は千の香りを持っていました。

旨し。

(写真は)

アフリカのスイスからやってきた

「ルワンダ・ニャムウェンダ」。

そうそう、世界で880頭しかいない野生ゴリラの半数が

ルワンダに生息しいるのだそうです。

千の丘の国はコーヒーとゴリラの楽園だった。