私は、思う

主語は誰?

ベテランの通訳者も戸惑った。

格調高い主語なき名演説。

あのヒロシマ・スピーチの主は

どんな退任演説を行うのでしょうか。

「71年前、明るく雲一つない晴れ渡った朝、死が空から舞い降りて」。

広島でのオバマ大統領の演説が始まった時、

英BBCの通訳、袖川裕美さんは不安に包まれたそうです。

今朝の天声人語が著書に綴られたエピソードを紹介していました。

この文の主語は何?この格調をどう伝える?

数々の政府間交渉や企業提携などの現場を踏んできたベテラン通訳も

あの瞬間、戸惑っていたのですねぇ。

え?主語はないの?

同時通訳の足元に100キロも及ばない英語力の私も

広島からの生中継を観ていて、?マークが浮かびました。

主語を明確にしない英作文なんてテストで点数をもらえないはずよね。

歴史的背景、アメリカ国内世論、あらゆるバランスを考えてのことか、

誰が原爆を落としたか、主語を明確にしない演説は

通訳者泣かせの歴史的演説とも言えましょう。

同時にその格調高いスピーチ力に圧倒されたのも事実。

格調高く主語なき名演説。

「誰が?誰が何を?も~、主語をはっきり言いなさい」。

ああ・・・思えば、子育て時代、こんな台詞を言ったことが少なからずある。

お喋りが達者な女の子に比べて男の子はどうにも言葉足らずのようで、

要領を得ない、文法的に破たんしている(笑)息子の言葉遣いに対し、

論理的な発言を求めたことが多々あるような。

どうにも職業柄、子供相手でも意味不明な表現をほっとけなかったのかも。

アナウンサーの母を持った息子の悲劇か(笑)。

ごめんねぇ~。

主語を曖昧にするのは日本語の得意技ですが、

その便利さに慣れ過ぎてしまうと時として誤解のタネになる。

「私は、こう思う」と主語を明確に話すように学ぶことは

それはそれで大切なことだと思います。

でも一方でこんな言葉を同じ朝刊紙面に見つけました。

「正しいいことを言うときは人を傷つけることを知っておけ」。

かつて竹下登元首相が石破茂衆議院議員に諭した言葉が

今朝の「折々のことば」で紹介されていました。

正しいことを余りに真っ直ぐ言うことは、その主張の陰で

立場を失う人や窮地に立つ人もいる。

「私は、思う」と正しいことを言う時こそ、熟考せよという戒め。

ああ・・・耳が痛い。またも子育て時代を反省するばかり。

母は正しいとばかり、息子を正論で追い詰めてはいなかったか。

論理的に正しい小言は子供をコーナーに追い詰めるだけだ。

伝えるということ、子育てということ、ホントに一筋縄ではいかない。

だからね、子供を叱って自己嫌悪のお母さんたち、

あなただけじゃない。みんな悩んで、今も悩んでるよ。

子育ては悩む価値のある大仕事、だもんね。

世界で一番悩む価値の大きい職業。

アメリカ大統領の任期を終えるオバマさんが

現地時間の10日、シカゴで退任演説を行います。

さあ、どんな主語ある名演説となるのか。

格調高いオバマ節も最後か。

淋しいな。

(写真は)

石垣島のパインアップルジャム。

クリームチーズを塗ったクラッカーに載せると超美味。

赤ワインのおつまみにもGOOD。

パイナップルはオバマ氏の故郷ハワイの名産でもありますねぇ。

懐かしいなぁ、小さな息子と行ったハワイのパイナップル畑。

赤い土と緑の葉っぱの向こうに青い海が広がっていた。

ノースショアの波は今日も勇壮だろうか。