都憧憬羊羹
う~ん。
やっぱり美味しい。
北海道が誇る和菓子の銘品。
立冬の夜、羊羹を食み都を偲ぶ。
まったりまったり。
暦通りの雪景色となった昨日の立冬。
こんな夜は熱いお煎茶など淹れて一服。
お茶のおともは北海道自慢の銘品和菓子。
日高郡新ひだか町の「三石羊羹」。
シンプルな三石羊羹と栗羊羹を頂いたのですが、
立冬の夜は季節にぴったりな栗羊羹を切ることにしましょう。
十勝産小豆を自家製餡し、無添加で練り上げた羊羹に
丸ごとの栗が隠れています。むふふ。
冬色の夜空に見え隠れする美しい月を思わせます。
じっくり愛でて、ゆっくり口に運ぶ。
う~ん、やっぱり美味しい・・・。
どちらかというとさらりとした味わいが小豆の風味を一層引きたて、
満月のような栗がさらに豊潤な美味しさを倍増させます。
北海道自慢の「三石羊羹」の実力を実感。
北海道銘菓「元祖 三石羊羹」を作っているのは
太平洋に面した日高郡新ひだか町にある八木菓子舗。
創業明治43年、1910年という百年を超える伝統を受け継ぐ老舗。
江戸後期、松前藩がここに三石場所を置いたことから、
日高路は駅馬、駅馬車の往来で賑わうようになりました。
さらに明治になって駅逓が定められ、初代の八木豊吉がお土産品を作ろうと
京都伏見の羊羹にヒントを得て試作したのが始まり。
これを発展させたのが2代目の民三。さらに京風のあじわいを工夫し、
商標を「三石羊羹」としてブランド化、レトロ感溢れるラベルの意匠も
民三の考案のデザインをそのまま用いているそうです。
以来三石名物の羊羹は大評判、大正期にはバスが店の前に止まるようになり、
当時1本20銭の羊羹が飛ぶように売れたとか。
あんパンが一個2銭くらいの時代ですから、人気のほどが想像できます。
味にこだわり、ブランディングに成功。できる2代目だったのですね。
確かに現在の「三石羊羹」のパッケージ、レトロなデザインが秀逸。
「日高銘菓 栗羊羹」・・・ん?「都風堂謹製」・・・?
箱の裏面には「製造者 八木菓子舗」とあります。どーゆーこと?
実はできる二代目民三が京風の味を深めるともに
屋号も「都風堂」としたのだそうです。
雄大な太平洋を望む北の日高路から遠い都を偲び名付けた屋号。
飛行機もフェリーも北海道新幹線もなかった時代。
京の都は北の菓子職人にとって遥かな憧れであったのでしょう。
北の菓子舗の高い志が宿る屋号。
都の風を偲ぶ北の名物羊羹。
目を閉じてじっくり味わいましょう。
さらりとした甘さの陰に潜むかすかなかすかな塩味。
それは雄大な太平洋の潮風の味なのか。
北海道百年の歴史を物語る都憧憬羊羹。
うまし。
(写真は)
レトロモダンな意匠が素敵。
三石羊羹の「栗羊羹」。
ちゃんと「都風堂謹製」って入ってる。
日高路ももう雪景色だろうか。

