夜中のヴィラージュ
それはふくよかで軽やかで。
太陽に愛された果実の味がしら
サン=テティエンヌ・ラ・ヴァレンヌ村。
まだ見ぬ美しい村を想像させる
夜中のヴィラージュよ。
昨夜、仕事で遅くなった帰り道、
牛乳を買おうと立ち寄ったご近所スーパーで
この季節限定の誘惑にあっさり負けました。
ワイン売り場の真ん中を華やかに彩るボージョレ・ヌーヴォー2016。
ここのところ忙しくて解禁日にも買いそびれていたのです。
時刻はいつものプチ晩酌タイムをかなり過ぎていたのですが、
ふらふらと華やかなコーナーに吸い寄せられていきました。
最高金賞獲得のヌーヴォーやこだわり生産者のヌーヴォー、
自然派ヌーヴォーにソムリエおすすめヌーヴォーなどなど
魅力的なラインアップが誇らしげに並ぶ売り場で
最も売れているのか、残り少なくなっているヌーヴォーがありました。
真っ赤なキャップに花柄のラベルが愛らしい、
「ボージョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー」です。
「ヴィラージュ」とはフランス語で「村」という意味。
「ボージョレ・ヴィラージュ」とはボージョレ地域の中でも
北部に位置する指定された39の村で収穫されたより高品質な葡萄を
使用したヌーヴォーのみ名乗ることができるもの。
選ばれし村だけが名乗れるヌーヴォーが「ボージョレ・ヴィラージュ」。
歴史ある村、歴史ある家族によった生まれた、
より豊潤で凝縮感のある味わいが楽しめるとか。
「ボージョレ・ヴィラージュ」にも色々な価格帯があるのですが、
昨夜、売り場で品薄になっていたのが1200円ほど、
実にお手頃プライスの「ボージョレ・ヴィラージュ」。
遅い仕事帰りの衝動買いになんとまあピッタリ。
迷う間もなく、残り少ない一本をさっとゲット、
ワイン用のお惣菜もちょちょっと仕入れ、
いそいそ家路に。
世間的にはごく普通の晩酌時間帯ですが、
超朝型夫婦にとっては立派な「夜中」(笑)。
既にくつろぎ、おやすみなさいモードに入っていた夫を
半ば強引に食卓へつかせ、お総菜に冷蔵庫の野菜をささっと添えて、
1日遅れの2016ボージョレ・ヌーヴォー解禁の乾杯♪
いざ、花柄ラベルのボージョレ・ヴィラージュをごくり。
う~ん・・・これで1200円台とは何と嬉しい。
ヌーヴォーながら深みのある濃厚で熟した香り。
果実味も豊かでふっくらまろやかな味わい。
太陽の恵みをいっぱい受けてすくすく育った葡萄から
丁寧に作られているんだな~って実感できます。
君が育った村はきっと自然にあふれた美しい村なんだろうなぁ。
健やかで、とても「気のいい」ヌーヴォーだ。
なんでもボージョレ・ヌーヴォーも発祥の地、
サン=テティエンヌ・ラ・ヴァレンヌ村で栽培された葡萄で
仕込まれた本格的ヌーヴォーらしい。
ちょっと調べてみると、ローヌ県にある小さな小さな村。
面積6.96平方km、人口は736人、評判のビストロもあるらしい。
豊潤な一杯を楽しみながら、そっと目を閉じると、
豊かな葡萄畑が広がる美しい村の風景が見えるような気がした。
フランスはローヌ県、ボージョレ地域。
その北部の人口800人にも満たない小さな小さな村で
太陽に愛されてすくすく育った葡萄で仕込まれたヌーヴォーを
遠く離れた日本の北の街のご近所スーパーで気軽に手に入れられる。
地球はすごく狭くなったような気がするけれど、
まだ見ぬサン=テティエンヌ・ラ・ヴァレンヌ村の風景を
ほろ酔いの頭で空想するのは何とも幸せなひとときだ。
世界はまだまだ広く、いつか行きたい場所はいっぱいある。
夜中のヴィラージュで、つかのまの世界旅行。
(写真は)
花柄のラベルが素敵。
サン=テティエンヌ・ラ・ヴァレンヌ村の葡萄で仕込んだ
「ボージョレ・ヌーボー・ヴィラージュ2016」。
意外にね、濃いお醤油味のお煎餅とも相性がいい。
お醤油煎餅とヌーヴォー、新たなマリアージュ?
うふふ♪



