ワインピンクの誘惑

この秋のマイブームは
「ワインピンク林檎ジャム」。
爽やかなヨーグルトにほんのり頬を染めた
手作りコンフィチュールをのせて
秋の月曜日の朝が始まります。

冷蔵庫を開けるたびに気になっていたボトル。
飲むタイミングを逸して中途半端に残った赤ワイン、
ビーフシチューにするには量が足りないし、
どうしたもんじゃろなぁ~と
思案した視線の先にあったのが真っ赤なりんご。
朝のヨーグルトに入れるりんごジャムを作るために
買い置きしていたものですが、はたと閃いた。
そうだ、妖精のコンフィチュールを作ろう。

世界中から愛されるコンフィチュールの妖精、
クリスティーヌ・フェルヴェール。
ドイツ国境に近いフランス・アルザス地方の小さな村
二―デルモルシュヴィルにあるお店には、
彼女が直径50cmほどの銅鍋から作りだす
美しく美味しいコンフィチュールを求めて
フランス国内外からジャム好きが詰めかけます。

私も何年か前に直接ご本人にお会いする機会がありました。
ヴァレンタインの特別イベントで来札したフェルヴェールさんに
インタビューさせて頂いたのですが、
ピンクに水玉模様のキャップが愛らしい瓶詰めのイメージ通り、
包容力に満ちた温かなマダムといった優しいお人柄に
一瞬でファンになってしまいました。
その時、ご本人から「これは自信作よ」と勧められのが
ご当地のピノ・ノワール(赤ワイン)を使ったコンフィチュール。

「ピノ・ノワールとショコラ」とか
「ピノ・ノワールと洋ナシ」といった組み合わせに
スパイスを利かせたまさに大人のためのジャム。
パンにぺたぺた塗るだけがジャムじゃない。
ワインやお酒とのマリアージュを楽しめる、
ジャム=コンフィチュールの世界の奥深さを知り、
激しく感動したことを思いだしました。

いざ、飲み残しの赤ワインで妖精のジャムを作ろう。
作り方は簡単、いつものように芯を取ったりんごを
皮ごと薄くイチョウ切りにして、ル・クルーゼの鍋へ。
レモン果汁を搾り、三温糖を加え、
いつもはこのまま弱火にかけますが、
ここで赤ワインを投入、蓋をして煮詰めていきます。
ふわぁ・・・、蓋のわずかな隙間から
ワインの魅惑的な芳香が鼻をくすぐります。

ふきこぼれに注意しながらコトコト、コトコト。
りんごが透明になり、煮汁がとろりとしてきたら完成。
余熱がとれたら、シナモンパウダーをたっぷり。
もし、シナモンスティックやクロ―ブがあれば、
りんごと一緒に煮込みたいところですが、
今回はパウダーで我慢我慢。

赤ワインで煮込んだりんごのコンフィチュール。
特筆すべきはその美しい色合い。
色白美人が一杯のワインでほんのり頬を染めたかのような
控えめなローズピンクが何とも魅惑的。
さしずめワイン・ピンクとでも呼びましょうか。
朝の白いヨーグルトに映えること。

その味わいは・・・セ・ボン!
ほのかなワインの香りとりんごの酸味と甘さがマリアージュ、
シナモンの香りがエキゾチックさを醸し出します。
なんちゃって妖精コンフィチュールは大成功。
とりあえず「ワインピンク林檎ジャム」として
野宮的定番コンフィチュールにリスト入り。
わざわざこのために赤ワインを飲み残したくなる(笑)。

この爽やかな北海道の秋空に
本当にお似合いの「ワインピンク林檎ジャム」。
フェルヴールさんが暮らすアルザス地方と北海道は
どちらも四季が明確な寒冷地、その気候は湿度が低く、
昼夜の寒暖差が激しいのが特徴で
葡萄栽培の気候区分では北緯42度から45度に位置する
「リージョン1」と呼ばれるワイン栽培に適した土地。
ワインに適したテロワールはジャム作りにも味方してくれた。

頬を染めた林檎ジャム。
毎朝起きるのがさらに楽しくなってきた。
ふふ、早起き、ばんざい。

(写真は)
白きヨーグルトと頬を染めた林檎ジャム
クリームチーズにも合いそうだなぁ。
ゴルゴンゾーラとのマリアージュも刺激的。
やばい、食欲の秋、満開だ・・・。