パンタと岬
二つの海がぶつかる岬。
青と碧が出会う絶景。
海と空の境目はどこ?
最北端のとったんで思いきり背伸び、
心は天空をめざす。
夏の沖縄旅2016リポートを続けるうちに季節は初秋へ。
北海道はたび重なる台風に見舞われ、大きな被害を受けました。
交通網は寸断され、農作物被害も甚大、出来秋が心配です。
一日も早い復旧、復興を願うばかりです。
今日から9月、朝晩は過ごしやすくなりましたが、
札幌も日中の予想最高気温は32度、厳しい残暑となりそう。
台風に残暑、涼しかった北海道でも他人事ではなくなりました。
南国の台風対策など色々と参考にしていかねばなりませんね。
沖縄旅の後半は八重山諸島から本島編へ。
自然・歴史・文化に触れる本島中部、南部ドライブに続いて
旅の4日目は幻の陶器を求めて、本島北部「やんばる」へ。
琉球王朝時代の古陶を再現した花形盛皿を作った陶房、
大宜味村の「陶藝玉城」を訪ね、念願のやちむんに出会えました。
力強く、ダイナミックで温かな作品を作り続ける玉城さんご夫婦の
お人柄と伝統と革新を追求する情熱にひたすら感動、
野宮的大好きやちむん窯元リストに登録、
いつかまた絶対再訪しよう誓い、陶房を後にしたのでした。
「山原」と書いて「やんばる」。
沖縄本島北部は亜熱帯の森が広がるネイチャーゾーン。
北上するにつれて人家もお店もなくなり、秘境ムードが高まります。
那覇から高速道をひた走り、終点の許田ICから国道58号線に入り、
大宜味村の山側へ右折、「陶藝玉城」に何とかたどり着き、
再び58号線に戻り、海沿いの国道をひたすら北へ。
次に目指すは本島最北端の岬、「辺戸岬」であります。
20数年前に訪れて以来、めっちゃ久しぶり。
車窓の左手には青い青い東シナ海。
レンタカーは「道の駅おおぎみ」、オクマビーチを過ぎ、国頭村へ。
クニガミドーナツで有名な「道の駅ゆいゆいくにがみ」を過ぎると、
家らしい家、お店らしいお店はほとんどなくなります。
右側には鬱蒼とした亜熱帯の山々がそびえ立ち、
緑の屏風がそそりたつさまはハワイの山脈を思わせます。
本当に神様の住む場所なんだなぁと実感。
沖縄の人々にとってはやんばるの森そのものが聖地。
辺戸岬の後ろ側にそびえる山々には
「安須森(あすむい)」と呼ばれる琉球開闢の聖地があり、
北へ向かうにつれて森も空も岩も空気も
どんどん清々しく神聖さを帯びていくような気がします。
その辺戸岬の少し手前にあるのが「茅打ちバンタ」。
えっと、茅を打つパンダ、ではありません(笑)。
高さ80mもある断崖絶壁の名前であります。
「茅打ちバンタ」の案内版に従って山側を登っていくと、
駐車場も完備、が、白昼のやんばる、人っ子ひとりいない。
まあ、ここまで来る観光客もそう多くないだろうしねぇ。
クラクラするほど暑い日差しの中、車を停め、崖に続く小道を行く。
うっひょぉ~~~!、すっごい絶景~!
高さ80mの断崖絶壁、足がすくむほど。くらくらするぅ。
眼下には美しいグラデーションを描く東シナ海。
最北端の宜名真漁港の桟橋がおもちゃみたいに見えます。
そして下から拭きつける迫力ある風。
帽子などいっぺんに吹き飛ばされそう。
そう、「茅打ちバンタ」の名の由来は
束ねた茅を崖から投げこむと、風に打たれてバラバラになることから
この名前がついたそうです。バンタとは沖縄の言葉で「崖」のこと。
ちゃんと柵が設置されていますが、覗きこんで身を乗り出すのは超危険。
しっかり足を踏みしめて、茅にならないように(笑)絶景を堪能しました。
さあ、ここまで来たら、辺戸岬はすぐそこ。
レンタカーに戻り、国道58号線をさらに北へ。
やってきました、沖縄本島最北端の「辺戸岬」であります。
駐車場から岬へ続く小道を歩き、いざ岬へ。
うっひょぉぉぉぉぉ~~~~~!
視界すべて、青と蒼しかない。
東シナ海と太平洋、二つの海がぶつかる岬。
とったんの岩に立つと眼の中には青と蒼しかなくなる。
二つの海がぶつかる沖合からの白い波が
琉球サンゴ礁の断崖絶壁に打ちつけるダイナミックな風景。
太古からの沖縄の自然のパワーを体で実感します。
晴れた日には22km先の与論島や沖永良部島も見える岬の中心に
ひとつの大きな石碑が建てられています。
「日本祖国復帰闘争碑」。
1942年(昭和47年)、アメリカ統治下から沖縄が日本に返還された時に
建立されたものですが、何故、この最北端の岬にあるのでしょう。
実は今見た岬からの景色がその理由を物語ります。
当時は日本復帰を願う人々が国境の向こう側にあった
鹿児島県の与論島に向けてのろしを上げていたのだそうです。
年に一度、沖縄本島と与論島の間の海上、北緯27度線上で
交流集会も開かれていたと言います。
最北端の岬はダイナミックな絶景スポットというだけでなく、
沖縄の波乱に満ちた歴史に思いを馳せる場所でもありました。
岬から後ろを振り向けば、
菩薩の横顔にも見えるといわれる緑の山々。
琉球開闢の聖地「安須森(あすむい)」が穏やかな表情で佇んでいます。
島を造った神々が住み、太古の自然が息づき、
沖縄が経験してきた波乱万丈の歴史も刻まれる最北端の岬。
那覇から3時間ほどかかるロングドライブにはなりますが、
たくさん走るだけの価値がある忘れ得ぬ絶景が待っています。
バンタと岬。
来て良かった。
(写真は)
沖縄本島最北端の辺戸岬にて。
雄大な絶景に思わず背伸び。
青と蒼と私だけ。
やんばるパワーをチャージ。

