沖縄リポート2016・夏~赤瓦と星の砂
南国の青い空と海がまぶしい。
赤瓦の昔ながらの民家にはハイビスカスの花が咲き、
サンゴの白砂の道をのんびり水牛車がゆく。
誰もが憧れる沖縄の原風景に出会える島。
竹富島と書いて、美しい島と読む。
沖縄夏旅2016、前半は石垣島へ3泊。
北海道から2500km南の八重山諸島のメインランドを拠点に
2日目は「西表島・由布島・小浜島・竹富島~4島を巡るツアー」に参加。
所要時間7時間半、一日で一気に4島をまわる欲張りプラン、
由布島まで水牛車で海を渡り、西表島ではマングローブ・クルーズ、
ちゅらさんの島小浜島でランチ、シュガーロードを駆け抜けて、
本日3度目の船に乗って、最後の竹富島へ。
八重山ブルーの海上に緑の毛布を広げたような優しい島影が。
古き良き沖縄の姿が美しく保存されている竹富島です。
石垣島の南西海上約6kmにあり、サンゴ礁が発達してできた楕円形の低島。
島の中央部にはインノタ(西集落)、アイノタ(東集落)、ナージ(仲筋集落)の
三つの集落があり、白砂の路地にサンゴ石の石垣、緑のフクギ並木が続き、
赤瓦の民家が連なる八重山の原風景が今も大切に守られています。
その歴史的、文化的価値から1987年に
国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
青い空に映える赤、白、緑のコントラストの美しさよ。
赤瓦の屋根、白い漆喰やサンゴの小道に緑のフクギの屋敷林。
白い漆喰は赤瓦が暴風に飛ばされないため、緑のフクギも家を守るため、
島の人々が受け継いできた昔ながらの暮らしの知恵のたまものなのです。
そう、見せるためではなく、この島で生きていくための工夫が
旅人を魅了する美しい景観を生み出してきたのでした。
景観を守ることは、暮らしを守ること。
保存地区では新築する際も赤瓦の伝統的建築に限られ、
島の人々は今も誇りを持って街並みを保存しています。
沖縄本島や他の島々でも
部分的に赤瓦の家並みが「点」として残された場所がありますが、
竹富島は島の集落全体が「面」として美しく整備されているのが
最大の特徴でしょう。360度、ぐるりと見渡す限り、美しい。
白砂の道を竹富島のガイドさんの説明を聞きながら、そぞろ歩くうち、
そのおじさんがある一軒の赤瓦のお家を指差しました。
「そして、こちらが、私のお家です」。参加者一同、爆笑。
「私も本土みたいなコンクリートの家を建てたかったのですが、
竹富では赤瓦のお家しか建てられませんので、ね(笑)」。
冗談まじりに話す表情は言葉と裏腹、竹富プライドが感じられました。
みんなで守っているんだな。みんなの暮らし。
美しい原風景は感動そのものですが、ただひとつ、人が多い。
以前、訪れた渡名喜島も赤瓦の伝統的集落が
島まるごと奇跡的に保存されていますが、アクセス上一泊するしかないため、
観光客は少なく、実に静かな佇まいでありましたが、
石垣島から高速船で10分、日帰り圏内の竹富島は、
夏休みのハイシーズン前だというのに、既に観光客がわんさか。
満員御礼の水牛車が白砂の道に連なり、渋滞状態。
日中はほぼこんな賑やかさだそうですが、日が暮れると、一転。
日帰り客が去った竹富島の夜はうって代わって静かで素敵な
島本来の姿を取り戻すということです。
星砂の島で星が降る夜、うふふ、ロマンチックじゃない。
原風景に浸りたかったら、赤瓦のお家に一泊するべし。
慌ただしい日帰り旅人は心に誓う(笑)。
しゃく、しゃく、心地よい音をたてるサンゴの道を踏みしめながら、
美しい島の情景を一望できる「なごみの塔」へ。
平たい島の最も高い場所、標高24mにある展望台の上からは
赤瓦集落はもちろん、先程訪れた西表島まで望める絶好の撮影ポイント。
観光パンフレットやガイドブックにある竹富ビューは
大体、この塔から撮影されているというのも納得納得。
上から眺めると家の作りがよくわかります。
グック(石垣)によって囲まれた方形の敷地に
フーヤ(主屋)が南に向かって建ち、西隣に炊事場であるトーラが。
家の裏手にはフールと呼ばれる豚小屋も。渡名喜島にもあったなぁ。
フーヤの正面には魔除けの壁、マイヤシ(ヒンプン)。
沖縄の伝統的家屋の様式は他の島と共通していますが、
実は竹富島の民家は古材の比率が多いという特徴があります。
平たい島である竹富島には森がなく、木材が採れない。
そのため島の9割が亜熱帯の森林に覆われた西表島から
海を渡って、木材を調達する必要がありました。
つまり、木材は超貴重品、決して無駄にせず、
できる限り、大切に再利用しているのだそうです。
美しい竹富島はリユースの島でもありました。
朝8時に石垣島を出航、西表島、由布島、小浜島、竹富島
八重山諸島4島を一日で駆け抜ける欲張りツアー。
確かに船に乗って降りて、バスに乗って降りて、また船に乗ってと(笑)、
いささかハードではありましたが、ロケハン旅には最高。
海の上から見える島の形も違えば、自然、歴史、文化、活性化策などなど
それぞれに島の個性が際立ち、興味はかきたてられるばかり。
一口に八重山諸島と言いますが、実に個性派集団。
いつか時間に余裕を持って、それぞれの島をじっくり訪れたくなりました。
気がつけば時刻は夕方の5時。
石垣島へ帰る船が港で待っています。
花々が咲き乱れる赤瓦と星砂の島に別れを告げ、
八重山諸島のメインアイランドへ帰りましょう。
帰りの船室、ツアー参加者ほぼ全員撃沈、かっくんと首折れ、爆睡(笑)。
心身共にフルスロットルの4島巡りツアー、
それぞれの島々の思い出をのせて
船はチャンプの待つ石垣離島ターミナルへと接岸します。
あ~、お腹すいた。今晩の石垣ごはんも楽しみだ。
(写真は)
竹富島を一望できるなごみの塔にて。
赤瓦の家並みに白いサンゴの道、緑のフクギ。
誰もが不思議に懐かしい気持ちになり、ほっと癒される。
赤と白と緑と、南国の青い空。
この4色には癒しの力があるんだなぁ。

