まさかの砂糖

まさか・・・!

コロンブスの新陸発見並みの驚き。

料理はこれだから面白い。

生のお魚に・・・、

まさかの砂糖!

爽やかな初夏。

週末ごはんのメインは旬の鰹。

しかも今回は意外な技にトライしてみました。

それは「砂糖じめ」。

そうです、生のお魚をまさかの砂糖でしめるのです。

朝刊の土曜版で見つけたコロンブス級のプロの技に興味津津、

何事もチャレンジ、早速試してみましょう。

ドキドキ。

旬を迎え、お値段も手頃な鰹ですが、この時季はやや脂が少なめ、

そんな初夏の鰹にコクをプラスするのが「砂糖じめ」。

まずは新鮮な宮城県産の鰹を1cmの厚さに切って、

やちむんの大皿に並べます。

その鰹の身の上に・・・まさかの砂糖をパラパラ・・・、

「うっすら雪化粧」ほどに振りかけていくのです。

半身の鰹に対して、小さじ山盛り一杯ほどか。

活きの良いお刺身にパラパラと砂糖を振りかける。

何だかとってもイケないことをしているような、

何というかどこか背徳的な気分になってくる。

いいんだろうか、こんな大胆なことをして。

人として間違ってないか?アタシ(笑)。

しかし、これこそがプロ中のプロの技なのだ。

ペタペタと叩いて砂糖の結晶が見えなくなったら冷蔵庫へ。

そのまま10~15分ほど置いておきます。

その間に薬味の準備。

新タマネギを繊維に沿って薄切りにしさっと洗って水気を切り、

ミョウガも千切り、大葉は洗って手でちぎります。

包丁を使うよりも香りが立つのだとか。プロの小技。

そして、まさかの「砂糖じめ」された鰹を冷蔵庫から出し、

香り高い薬味を載せて、初夏の食卓へ。

さあ、未体験ゾーンをいただきましょう。

たっぷりと薬味を載せた鰹の身に刺身醤油をちょいとつけ、

ドキドキ・・・お口に運びます。

「まさか・・・甘くないよね・・・?大丈夫だよね?」

そんな一抹の不安など、またたくまにぶっ飛びましたぁ~。

「う・・・うんまぁ~い!なんじゃ、こりゃあ~???」。

いきなり懐かしの松田優作が入る(笑)ほどの衝撃。

凄い、砂糖は、魔法使いだ。

うっすら雪化粧ほどの砂糖でしめられた鰹は

まず、身の色が、より鮮やかになっていて、

心配していた砂糖の甘味は奥深くに隠れていて、

とろりとした魅惑的な舌触りがたまりません。

比較的あっさりしているはずの初夏の鰹が

いつのまにか色っぽく成熟しているではありませんか。

その味わいは・・・そう・・・どこかエロティックですらある。

実は〆鯖を作る際にも和食のプロたちは

塩や酢でしめる前にたっぷりの砂糖を使うそうです。

最初に砂糖でしめることでしっかり身の水分を出し、

生臭みを抑え、旨みを引きだしことができるのだとか。

砂糖の分子の特長、浸透圧などを上手に利用した技。

料理は経験的に導き出された科学で成り立っているのだ。

まさに料理人は、科学者だねぇ~。

甘い雪化粧で

色っぽく変身した砂糖じめの鰹。

料理は発見の連続。

これだから面白い。

また作ろうっと。

(写真は)

香り高い薬味をまとった

砂糖じめの鰹。

カボスやスダチ、シクヮーサーなど

爽やかな柑橘類を添えても美味。

新発見の初夏、でした。