ひとてまふたてま

お料理は正直。

手間をかけてあげただけ

きちんと応えてくれる。

「おひたし」最高。

ありがたいことに、

この五月は「ハマボウフウ」にご縁があるようで、

先日の天然物に続いて、今度は立派な栽培物が到来。

石狩近郊で苦心の末に栽培にこぎつけたものとか。

愛情をたっぷり注がれた「ハマボウフウ」。

まっすぐ伸びる白い茎が育ちの良さを物語ります。

厳しい潮風に耐えて、身をかがめるように

浜辺に這いつくばる野生のハマボウフウに比べると

身の丈は3倍、すくすくまっすぐ育っています。

明治時代から栽培の歴史があって、

昔から高級野菜として並べられていたことから

「八百屋防風」という別名もあるとか。

さあ、たっぷり頂いた「八百屋防風」、どうお料理しましょうか。

やはり、半分は鉄板の天婦羅、

もう半分はこの香りと歯ごたえをそのまま活かして、

シンプル・イズ・ザ・ベスト、「おひたし」にします。

しかし、簡単に「おひたし」、とは言うものの、

ちゃんと作ろうと思うと、意外に手間暇のかかる一品。

せっかくの立派なハマボウフウ、食材に敬意を表して、

今回は手間暇ヴァージョンを選択。

まずはさっと茹でますが、茹で過ぎは禁物。

熱湯で投入したら、しゃぶしゃぶ程度のタイミングで

素早く冷水にとり、水気を丁寧に絞ります。

盛り付けを考え、一本一本天地を揃える手間も惜しみません。

沖縄の風味の良いカチュー(かつおぶし)で

濃いめのだしをひき、醤油と味醂で八方だしを作り、

きれいに切りそろえたハマボウフウを「浸します」。

そう、今更ではありますが、

だし醤油に「浸す」から「おひたし」なんだよね~。

普段のおかずならならホウレンソウとかさっと茹でて

おかかとお醤油かけた簡単おひたしですませがちですが、

たまにひと手間ふた手間かけた本格「おひたし」など作ってみると

ほんと、料理は愛情だな~って再確認する。

ハマボウフウ愛にあふれた「おひたし」の完成。

食卓と食べる人の用意が整ったら、

立派なハマボウフウをそのままさっと天婦羅に、

揚げたて熱々のところをやちむんの大皿に

手間暇ヴージョン「おひたし」をペルシャ秞の器に盛り付け、

さあ、「八百屋防風」尽くしの二品、いただきま~す。

熱々のフリット風天婦羅は粟国島の塩で。

う~ん、やっぱり、美味しい。

香りは天然物よりも控えめではありますが、爽やかなで上品。

そしてお行儀よく器に収まっている「おひたし」。

しゃく・・・しゃくしゃく。おおお~、気持ちいい歯ごたえののち、

ふわぁぁぁ~~、っと力強い香りが鼻腔を抜け、

お口の中でだしとハマボウフウが美味しいデュエットを奏でる。

これは、料亭の味です、(てか、そう通ってないけど、笑)。

ひとてま、ふたてまの違いって

こんなに大きいのですね~。

たまには普段使いの小松菜やホウレン草も

これだけ手間暇かけてあげなくちゃ、ね。

食材の全てに平等な愛を。

ちょっと反省した初夏の週末、でした(笑)。

(写真は)

ハマボウフウのおひたし。

初夏の食材が青い器に映えます。

ひとてま、ふたてま、おいしくなぁれ。

お料理は色々なこと教えてくれる、ね。